SGL鋼板とは?特徴やメリット・デメリットを解説
2023/07/03
この記事を読んでいるみなさんは「SGL鋼板って何?」と思っているものの、なかなか知る機会がありませんよね。
お気持ちはよくわかります。「SGL鋼板」に触れる機会は日常でほとんどありませんし、専門業者でなければあまり深く知る必要もない知識ですからね。
ただし、知っていて損はない情報ですので、この機会に「SGL鋼板」について理解を深めましょう。
この記事は「SGL鋼板」について、そもそも何なのか?特徴は?メリット・デメリットについて詳しく解説しました。
SGL鋼板とは
SGL鋼板(Super Galvalume Steel Sheet)は、鋼板に特殊な亜鉛めっき処理を施した耐食性の高い建材です。通常のガルバリウム鋼板よりも優れた性能を持ちます。
SGL鋼板は、亜鉛とアルミニウムの合金めっき層を鋼板の表面に形成することで、優れた耐食性と耐候性を発揮します。アルミニウムの添加により、通常のガルバリウム鋼板よりもさらに高い耐食性を生み出します。また、耐食性だけでなく、耐久性や耐摩耗性も向上した建材です。
SGL鋼板の用途は、建築や屋根材、外装パネルから自動車部品まで幅広いく利用されます。耐候性が求められる環境や耐久性が必要な場所で、優れた性能を発揮します。
SGL鋼板の5つの特徴
SGL鋼板には5つの特徴があります。
①優れた耐食性
SGL鋼板は、通常のガルバリウム鋼板よりも高い耐食性を持ちます。亜鉛とアルミニウムの合金めっき層により、鋼板の表面を効果的に保護し、腐食から守ります。
②高い耐候性
悪天候や環境要因による劣化から鋼板を保護する優れた耐候性を備えています。長期間にわたって色あせや劣化を抑え、美観を維持します。
③優れた耐久性
SGL鋼板は、耐久性が高く、長期間にわたって強度を維持します。そのため、建築や屋根材、自動車部品など、耐久性が重要な商品に用いられています。
④軽量かつ強固
軽量でありながら強度があります。これにより、建築や構造物において、軽量化と強度要件の両方を満たすことができます。
⑤良好な加工性
SGL鋼板は、加工性に優れています。切断、曲げ、穴あけなど、さまざまな形状やサイズに加工することができます。
SGL鋼板は、これらの特徴により、耐久性と美観を求められる様々な産業分野で広く利用されています。
SGL鋼板の5つのメリット
SGL鋼板のメリットは以下の5つあります。
①長寿命
SGL鋼板は、耐食性や耐候性が優れており、長期間にわたって使用することができます。そのため、メンテナンスや交換の頻度が低くなり、コストや手間を節約できます。
②経済的
SGL鋼板は、耐久性が高く、長寿命であるため、建築や構造物の寿命コストを低く抑えることができます。また、メンテナンスや修繕のコストも削減されます。
③美観の維持
SGL鋼板は、耐久性が高く、劣化しにくい特徴があります。そのため、建物や構造物の外観を長期間にわたって美しく維持することができます。
④環境にやさしい
SGL鋼板はリサイクルが可能であり、廃棄物の削減に貢献します。また、鋼板自体が持つ資源の有効活用にも寄与します。
⑤多様な用途
SGL鋼板は、建築や自動車部品など、幅広い産業分野で使用されます。そのため、さまざまな用途に応じて適用できる汎用性があります。
これらのメリットにより、SGL鋼板を使用することで、耐久性、経済性、美観、環境への配慮など、多くの利点を得ることができます。
SGL鋼板の4つのデメリット
SGL鋼板のデメリットは以下の4つあります。
①初期コスト
SGL鋼板は、通常の鋼板に比べて製造や加工の過程で特殊な処理が施されています。そのため、初期コストが高くなる場合があります。
② 切断時の注意
SGL鋼板は、切断する際に亜鉛とアルミニウムの合金めっき層が切断面に残る可能性があります。そのため、取り扱いや処理時に適切な安全対策が必要です。
③色の変化
SGL鋼板は、時間とともに微細な変化が起きる場合があります。特に、表面のアルミニウム成分が酸化することで微細な白い粉末状の物質が現れることがありますが、これは通常の現象であり、性能に影響はありません。
④環境への影響
SGL鋼板は、製造過程で亜鉛やアルミニウムなどの処理が必要です。これに伴い、鉱山の採掘や製造プロセスにおいて環境への影響が発生する可能性があります。ただし、リサイクルが可能であり、廃棄物の削減に寄与するなど、環境への配慮が行われています。
これらは一般的なデメリットの例ですが、具体的な使用状況や環境によって異なる場合があります。使用する前に、製品の仕様やメーカーのガイドラインを参考にすることをおすすめします。
SGLのメンテナンス方法
SGL鋼板のメンテナンス方法は以下の5つの手順です。
① 定期的な清掃
定期的に鋼板の表面を清掃することが重要です。表面の汚れや付着物が蓄積すると、鋼板の耐久性や外観に影響を与える可能性があります。水と中性洗剤を使って、表面を優しく洗浄し、汚れを取り除きます。
②サビや傷の処理
鋼板の表面にサビや傷が生じた場合は、早めに処理することが重要です。サビが見つかった場合は、サビを除去し、表面を適切な防錆塗料で処理します。傷が生じた場合は、鋼板の補修や再塗装を行います。
③メンテナンス点検
定期的な点検を行い、鋼板に損傷や異常がないか確認します。特に、鋼板の接合部や取り付け部分、穴あけなどの細部を注意深く点検し、必要な修理や補修を行います。
④塗装の再施工
鋼板の塗装が劣化した場合は、適切なタイミングで再塗装を行います。劣化した塗膜を除去し、新しい塗膜を施すことで、鋼板の保護と美観の維持を図ります。
⑤環境条件の監視
使用環境や特定の条件が鋼板に影響を与える可能性がある場合は、その監視と適切な対策を行います。例えば、塩水や酸性の環境に曝される場合は、定期的な洗浄や防護塗料の使用が必要です。
これらのメンテナンス手順は一般的なものであり、具体的な製品やメーカーの指示に従うことが重要です。製品に関連するメンテナンスガイドや推奨される手順を確認し、適切なメンテナンスを実施してください。
まとめ
当記事では「SGL鋼板」について詳しく解説しました。
初期コストが高いなどのデメリットはあるものの、長期的に見たときのメリットの方が高いことがわかったと思います。
今後ますます普及していくであろう新素材の「SGL鋼板」の知識を当記事以外でも深めていきましょう。