屋根の葺き替え工事とは?屋根材別で特徴を比較
2022/07/04
雨漏り修理で修理業者に見てもらった際、「屋根の葺き替え工事をした方がいい」と言われ説明されたけど、いまいちどんな工事なのか分からないという方もいらっしゃると思います。
屋根の葺き替え工事は、いくつか種類のある屋根リフォームの中でも費用が高額のため、工事を依頼する業者選びは慎重におこなわなければなりません。
また、屋根材の種類によって耐用年数や機能性、将来かかるメンテナンスコストが異なるため、ご自宅の屋根やご希望に合った種類の屋根材はどんなものかということをある程度把握しておくとよいでしょう。
今回の記事では、屋根の葺き替え工事をお考えの方や葺き替え工事を勧められた方に向け、工事を決める前に事前に知っておくべき屋根の葺き替え工事の基礎知識をご紹介いたします。
屋根の葺き替え工事の基礎知識
屋根の葺き替え工事とは、既存の屋根材(瓦やスレート材など)を撤去し、新しい屋根材に葺き替える屋根リフォームです。スレート屋根やトタン屋根の場合、既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねて葺く「カバー工法」という施工方法もありますが、既存の屋根材をそのままにするという点で葺き替え工事とは異なります。
屋根の葺き替え工事は、既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材に張り替えるリフォームということを覚えておきましょう。
葺き替え工事は部分的な補修や修理工事と異なり、屋根全体のリフォームです。そのため小さな補修工事よりは高額な費用になってしまうため、事前知識を身につけた上で工事を決めましょう。
屋根の葺き替えをするべき劣化症状・タイミング
葺き替え工事を検討する際、ご自宅の屋根には本当に葺き替え工事が必要な症状が出ているか、または葺き替えをすべきタイミングかを一緒に確認しておく必要があります。
上述の通り葺き替え工事は費用が高額のため、中には必要のない葺き替え工事を提案する悪い業者も中にはいます。特に、訪問販売で突然訪れた業者に屋根の劣化を指摘された場合などには注意が必要です。
また、スレート屋根やトタン屋根の場合、メンテナンス方法として「屋根塗装」もありますが、屋根材の耐用年数が過ぎてしまっている場合だと塗装をしてもすぐに色褪せてしまったり塗膜が剥げてしまうため、葺き替えが最善のメンテナンス方法といえます。
以上のように、葺き替え工事にはそれぞれの屋根材ごとに適切なタイミングや劣化症状があります。
そこで、普及率の高い三種の屋根材の劣化症状や屋根修理方法、屋根材に応じた葺き替え工事のタイミングをご紹介いたします。
瓦屋根の葺き替えが必要な劣化症状
劣化症状 | 重症度 | 修理方法 |
---|---|---|
漆喰の剥がれ | 中 | 漆喰補修工事 |
瓦の割れ、ズレ | 中 | 瓦の部分交換・補修 |
瓦のうねり・歪み | 高 | 葺き替え・葺き直し |
雨漏り | 高 | 葺き替え・葺き直し |
スレート屋根の葺き替えが必要な劣化症状
劣化症状 |
重症度 |
修理方法 |
棟板金の釘抜け・ゆるみ |
低~中 |
部分補修 |
屋根の苔・藻の発生 |
低~中 |
屋根塗装 |
棟板金のサビ |
低~中 |
屋根塗装 |
棟板金の穴 |
中 |
棟板金の交換 |
屋根材の全体的な破損 |
高 |
葺き替え・カバー工法 |
雨漏り |
高 |
葺き替え・カバー工法 |
トタン屋根の葺き替えが必要な劣化症状
劣化症状 | 重症度 | 修理方法 |
---|---|---|
棟板金の釘抜け・ゆるみ | 低~中 | 部分補修 |
屋根に錆の発生 | 低~中 | 屋根塗装 |
屋根材の穴・破損 | 中 | 葺き替え・カバー工法 |
屋根材のめくれ | 高 | 葺き替え・カバー工法 |
雨漏り | 高 | 葺き替え・カバー工法 |
屋根材別の葺き替えのタイミング
屋根材 | 耐用年数 | 葺き替えのタイミング |
---|---|---|
日本瓦 | 80年〜100年 | 40年(防水シートの交換) |
セメント瓦 | 30年~35年 | 35年〜40年 |
スレート瓦 | 20年~25年 | 25年〜30年 |
トタン | 15年~20年 | 20年〜25年 |
屋根葺き替え工事と比較したい工法
屋根の葺き替え工事の他に、検討される際に参考にしたい工法をご紹介いたします。
日本瓦の場合ですと、既存の瓦を廃棄せず再利用する「葺き直し」をお選びいただくことも可能です。劣化状態によっては難しい場合もありますが、葺き替えに比べて費用を安く抑えられるため是非一緒にご検討いただきたい工法です。
このように、葺き替え工事以外にも屋根のリフォームには種類があり、ご自宅の屋根の状態によってはより費用を安く抑えられる工法を選択したほうが経済的です。
それでは、屋根の葺き替え工事で比較するべき工法について解説します。
葺き直し
上記にもご説明した通り、既存の屋根材を撤去せず、再利用するリフォーム方法です。
主に日本瓦屋根に用いられる工法で、日本瓦は耐用年数が80年〜100年と長期的なことから、葺き替えのタイミングによっては新しく屋根材を用意する必要がありません。
カバー工法
既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて葺く工法です。
瓦屋根では施工できない工法ですが、スレート屋根やトタン屋根のリフォーム工法として広く普及されています。既存の屋根材の撤去費用がかからず、耐久性、耐震性に優れたガルバリウム鋼板を葺くことでコストパフォーマンスに優れた屋根リフォームができます。
スレート屋根と金属屋根で、葺き替えより費用を抑え新しい屋根材に変えたいという方におすすめの工法です。
屋根材別の葺き替え工事
屋根材 | 日本瓦 | スレート瓦 | ガルバリウム鋼板 |
---|---|---|---|
施工単価 | 8,000〜10,000 | 5,000〜7,000 | 6,000〜8,000 |
耐用年数 | 80年〜100年 | 20年〜25年 | 40年〜50年 |
耐震性 | 低 | 中 | 高 |
メンテナンス | 不要 | 屋根塗装 (10年に1度) |
不要 |
葺き替え工事は、葺き替える屋根材によって費用と性能が異なるため、それぞれの屋根材別に葺き替え工事の種類を知ることが重要です。
ここでは、屋根葺き替え工事の種類についてご紹介いたします。
日本瓦→日本瓦
瓦屋根の似合う従来の日本家屋に多い葺き替えです。
しかし、日本瓦は施工単価が高く葺き替え費用も高額になるため、日本瓦から日本瓦への屋根リフォームをご検討の方は瓦の状態が悪くない場合は葺き直しを検討されることをおすすめいたします。
日本瓦→ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、日本瓦とくらべ重量が1/6と軽量のため、耐震性の向上を希望される方に人気です。実際、弊社でも日本瓦からガルバリウム鋼板への葺き替え施工事例は沢山あります。
ガルバリウム鋼板は軽いだけでなく優れた耐久性も持っており、費用対効果も期待できます。
日本瓦→スレート
近年スレート材は、瓦屋根の葺き替えではあまり施工されなくなりました。
なぜならガルバリウム鋼板より耐用年数が低く、塗装によるメンテナンスが必要なためコストパフォーマンスが低いからです。そのため、近年ではガルバリウム鋼板に比べスレート屋根はあまり施工されなくなりました。
塗装によるメンテナンスは必要ですが、屋根リフォームをとにかく安く済ませたいという方におすすめです。
スレート瓦→ガルバリウム鋼板
スレート屋根の屋根リフォームは、ガルバリウム鋼板によるカバー工法が主流です。
上記でご説明の通り、既存の屋根材の上から新しい屋根材を葺き、費用を安く抑えることができるからです。
築25年以上が経過した住宅で、今後10年以上は住み続けるつもりの方におすすめです。
トタン→ガルバリウム鋼板
スレート屋根をガルバリウム鋼板でカバー工法するのと同様に、ガルバリウム鋼板へのカバー工法はトタン屋根の場合でも費用対効果の非常に高い工法となります。
屋根葺き替え工事の業者の選び方
屋根の葺き替え工事は、下請けを雇わない自社施工業者に依頼することで、適正価格にてリフォームをすることができます。下請けのいる場合だと、中間マージンが発生してしまいその分工事費用も高くなってしまうからです。
ハウスメーカーに修理を依頼しても、実際に工事を行うのは地元の屋根業者なのです。そのため、初めからその業者に依頼することで余分な費用をかけずに屋根工事ができるというわけですね。
また、自社施工業者の場合ですとお客様と職人が直接やり取りをおこない、お客様のご要望をお聞きするため、相談内容のすれ違いや「言った言わない」などといった業者トラブルを回避することにもつながります。
適正価格で屋根リフォームをしたいという方は、業者選びの際「自社施工」業者を中心に探してみましょう。
私たちエーストラストも自社施工業者です。適正価格にて、お客様のご希望に合わせた施工内容をご提案させていただきます。
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