天窓は雨漏りしやすい?メリットやデメリット、メンテナンス方法を解説
2022/08/24
天窓(トップライト)は、おしゃれで意匠性もあり、お部屋に開放感ももたらすことから、お家に取り付けている人、これから取り付けをお考えの方も多くいらっしゃるかと思います。しかし、実は雨漏りが起こりやすい場所でもあるのです。
これまでに弊社でも、お客様からご相談を受け天窓からの雨漏り修理のご依頼を数多く承ってまいりました。
この記事では、天窓からの雨漏りについて知っていただきたいポイントや、メンテナンスの目安などにつてご紹介します。
天窓のメリット
まずはじめに、天窓のメリットからお話ししていきます。
部屋に光が広く届く
天窓は光が広く届き、お部屋が一気に明るくなります。これは天窓の一番の魅力と言っても良いでしょう。
実際に建築基準法においても、通常の壁面窓に比べて天窓は3倍の採光で計算できると定められています。部屋が明るいと気持ちよく、おしゃれな雰囲気にもなりますよね。
風通しが良くなる
開閉可能な天窓の場合、壁際窓に比べ通風量が2~4倍に増えます。
風が吹き抜け、熱がこもりにくい快適な室内環境を保つことができます。
省エネ効果が高まる
天窓は、日中に光が広く差し込み部屋を十分明るくしてくれるため、照明器具の使用量を抑えられ、省エネ・節電効果を期待できます。また、風通しもいいことから湿度の低い日は5~6度、湿度の高い日だと2~3度ほど外の気温より室内温度が低くなります。そのため、エアコンの稼働時間を短くすることもできるでしょう。
天窓のデメリット
上記に紹介したメリットの一方で、天窓にはデメリットもあります。
ここで注意していただきたいは、以下で列挙するデメリットでも最新の天窓であれば改善されているものもあるということです。
最新の天窓について疑問やご相談がありましたらお気軽に弊社にお問い合わせください。
雨音が響く
普通の雨の場合にはそれほど気にならない雨音も、台風や豪雨時など、雨水が激しくガラスに打ちつけられる場合などには大きな雨音が響くことがあります。音が気になる方や、寝室への取り付けの際は注意しましょう。
雨漏りが起こりやすい
屋根は本来、雨から建物を守るためのものです。そのような役割を持つ屋根に穴を開け、天窓を設置するというのはいくら雨漏りの対策をしていても、やはり普通の屋根よりは雨に弱くなってしまいます。基本的に屋根は、他の建材同士が重なり合う箇所(取り合い部分)で雨漏りが起こりやすいのです。
以前の天窓はは作り付けが主流でしたが、現在主流なのは既製品のものです。そのため雨漏りの頻度は減少されましたが、それでも天窓はその構造上、他の箇所に比べると雨漏りが多くなってしまいます。
結露が起こる
結露が起こると、雨漏りと同様に水が屋内に悪影響を及ぼします。結露で出た水滴で室内側の木製窓枠が濡れると木材が腐ってしまい、窓の開閉も困難になってしまうのです。
また、さらに注意が必要なのが壁面内側の結露。内側にまで水が入り込んでしまうと、柱や梁といった建物を支える重要な構造物などにも腐食を及ぼしてしまいます。
結露の対処方法としては、換気扇や二重窓、樹脂窓、シートなどを利用することが挙げられます。天窓はほとんどの場合高い場所に設置されてあるため結露を拭き取るのは難しいですが、こまめに掃除をして定期的なメンテナンスをおこなうことで劣化の進行を遅らせることは可能です。
天窓から雨漏りが起きた時に知っておくべきポイント3つ
コーキング補修で治る場合
天窓から雨漏りが起きた場合の原因のうち、約半数がコーキングの穴です。コーキングとは天窓の気密性や防水性を高めるために使われているゴム製のパッキンのことで、この部分に穴が開いたりパッキンが剥がれたりすることで雨漏りが起こります。この場合は基本的に、傷んでいる部分の上にシリコンコーキングを充填して雨漏り修理をします。
これでも雨漏りが治らない場合は屋根板金や屋根瓦の不具合が原因で雨漏りが発生していると考えられます。この場合は屋根の専門業者や板金屋に相談するのがベストです。
結露による水滴かも
天窓から雨漏りしてるかも?と思っても、その水滴の原因が実は結露という場合もあります。上述の通り天窓は結露が発生しやすいため結露の水濡れを雨漏りによるものと勘違いしてしまうというわけです。
結露も建物を傷める原因の一つとなりますが、結露は対策を行えば雨漏りよりは容易に対処することができ、修繕費もそれほどかからないことが多いです。
天窓だけの交換は難しい
雨漏り調査をして、原因が天窓の経年劣化だった場合は天窓の交換をする必要があります。しかし、天窓は屋根の一部であるためその部分だけを交換しても雨漏りは解決しない場合が多いです。天窓には、既存屋根との接合部分があるため天窓だけ取り外して交換すればいいというわけにはいかないのです。天窓周りの屋根剤を剥がして交換することもできますが、この場合足場を組んで作業をする必要があるため大掛かりな工事になってしまいます。このような理由から、天窓の交換工事は思ったよりも費用がかかってしまい予算オーバーになってしまうお客様も少なくありません。
そのため、天窓は屋根の耐用年数に合わせて屋根と一緒にリフォームを行うのが最もコストパフォーマンスが高いというわけです。
天窓の寿命とメンテナンスの時期
最後に、天窓の寿命とメンテナンスの時期についてお話します。
天窓の寿命
天窓の耐用年数(寿命)は新設から約25年が目安です。25年以上過ぎると経年劣化で不具合や破損、これらが原因で雨漏りが発生しやすくなります。
また、この他にも室内側窓枠の劣化具合からも寿命を判断することができます。
【サッシからの判断基準】
1辺が5.5cm、または30cm2以上の水染み、変色が2か所以上
【窓枠からの判断基準】
1辺が5.5cm、または30cm2以上の水染み、変色が3か所以上
天窓のメンテナンス時期
天窓のメンテナンスに適している時期は、屋根の葺き替えや塗装などといった屋根リフォームのタイミングです。屋根全体の工事や足場工事と合わせて天窓の修理や交換が行えるため費用を抑えることができます。屋根工事の際に天窓を交換するタイミングを逃してしまうと次のメンテナンスは30年ほど先になってしまうため、この期間に雨漏りなど不具合が起こる可能性が確実に高まってしまいます。天窓も屋根の一部として一緒にメンテナンスをしていただくことをおすすめいたします。
さいごに
天窓には、お家の意匠性を高めお部屋を明るくしてくれるなど嬉しいメリットもある反面、雨漏りの危険性を高めるといった建物にとっては致命的なデメリットも持ち合わせています。
天窓のメリットを活かしつつ、雨漏りのリスクを最小限に抑えるためには定期的なメンテナンスや専門的な雨漏り対策、雨漏り対策に特化した天窓を取り入れるなどといった対策が必要となります。天窓のみでなく、建物全体に及ぶ雨漏り対策に特化した業者が我々、板金職人です。どんな種類の屋根にも雨漏り対策は必要不可欠ですよね。弊社では、屋根の修理や新設だけでなく、板金による確実な雨漏り対策をおこなっております。
お家の雨漏り修理や雨漏り対策、屋根修理についてお悩みがありましたらエーストラストにお任せください!