雨漏りが起きた際は葺き替えをするのがベスト?
2023/02/20
雨漏りが起きれば、被害が拡大する前に、速やかに屋根修理を行うことが大切です。しかし、修理方法は様々あるため「どの工法を選べばよいかわからない」と迷う声はよく聞きます。屋根材を下地から一新できる『葺き替え(ふきかえ)』は、雨漏り修理に大変効果的な工法です。
ただし、全ての家の雨漏り修理に対して、葺き替えが必ずしもベストな選択だとは言い切れません。屋根の耐用年数や劣化状態、費用などを総合的に判断して、葺き替え以外の選択肢も検討し、納得した上で屋根修理ができるとよいでしょう。
屋根の雨漏り修理における、葺き替えやその他の屋根修理方法について解説いたします。雨漏り修理で迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。
雨漏り時の葺き替え、その他工法のメリット・デメリット
屋根の修理方法は様々ありますが、雨漏りしている屋根の耐用年数や劣化状態、費用など総合的に判断して選択できるとよいでしょう。
雨漏り時の修理方法は以下の3通りです。葺き替えやその他工法それぞれの特徴や、メリットデメリットを詳しく確認しましょう。
葺き替え
屋根の葺き替えは、瓦やスレート、トタンなどの既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材に葺き替える修理方法です。
屋根材の下にある防水シート(ルーフィング)貼り替えや、野地板の状態確認もできるなど、下地から新調可能なのが大きな特徴。屋根の寿命が延び、他の劣化部分からの雨漏りの心配もいりません。
他の工法と異なり、選択できる屋根の種類が多いのもメリットの一つです。
ただし、家は使用する屋根材の重みに耐えられるよう設計されているため、軽い屋根材から重たい屋根材への変更は難しいとされています。より屋根が重たくなる葺き替えは、耐震性の面から難しくなるでしょう。
また、外観のデザインにもなじむよう、新しい屋根材を選択してください。下地から新調できる葺き替え工事は、既存の屋根材の撤去や処分も必要となるため、他の工法よりも費用がかかるでしょう。
カバー工法(重ね葺き)
スレートやトタン屋根の改修方法として広く普及しています。既存の屋根材の上に、新しい屋根材を重ねて施工する方法で、既存の屋根材の撤去費用がかかりません。コストパフォーマンスに優れた修理方法です。
ただし、カバー工法はどの屋根でも可能な工法ではなく、劣化が激しい傷んだ屋根には使えません。
屋根全体を改修したい場合、葺き替えとあわせて検討するとよいでしょう。
部分修理
雨漏り部分の原因を突き止めたら、自力で部分的に応急処置を行うことも可能です。
ただし、劣化が激しい屋根の場合、他の個所からも雨漏りするリスクがあります。屋根の状態を見極めたうえで検討できるとよいでしょう。
雨漏時の葺き替え目安と屋根の耐用年数
屋根の状態を正確に見極めるのは、素人では難しいもの。屋根修理業者へ依頼し、状態を確認しましょう。
葺き替えの目安となる屋根の状態や耐用年数は以下の通りです。
屋根材 | 確認できる状態 | 耐用年数 |
瓦 | 瓦のうねり・歪み、雨漏り | 80〜100年(日本瓦) 30~35年(セメント瓦) |
スレート | 全体的な破損や劣化、雨漏り | 25年〜30年 |
トタン | 穴あきなどの破損 めくれ 雨漏り |
20年~25年 |
日本瓦の場合、瓦自体が長くて100年の耐用年数です。そのため、屋根材の劣化前に、防水シートの劣化が起こります。
防水シートの耐用年数である30〜40年前後に、葺き替えや葺き直しを行うとよいでしょう。
雨漏り時の葺き替え費用目安
葺き替えを行う際の費用目安は以下の通りです。
屋根材 | 施工単価(円/m2) |
日本瓦 | 8,000〜10,000 |
スレート | 5,000〜7,000 |
ガルバリウム鋼板 | 6,000〜8,000 |
家ごとに異なりますが、施工費用はおおよそ100~200万ほどとなるでしょう。
日本瓦の場合、葺き替え費用が高くなりやすいため、瓦の状態や耐用年数に問題がなければ葺き直しを行なえると費用が抑えられます。
施工単価を抑えた、スレート屋根やガルバリウム屋根に葺き替えることも可能です。
また、スレート屋根の葺き替え時には、アスベストが含まれていないか注意しましょう。
アスベストを含むスレート屋根の場合、撤去や処分に手間がかかるため、通常の葺き替えよりも費用負担が大きくなります。
雨漏り修理の葺き替え時に選択できる屋根材
葺き替え時の屋根材選びでは、既存の屋根材より重たい屋根材は使用できないとお伝えしました。
現在使用されている屋根材ごとに、選択可能な屋根材をご紹介します。
屋根材選びは、外観デザインや性能、費用など総合的に判断したうえで選択しましょう。
日本瓦
重たい屋根材であるため、既存の屋根材が日本瓦であった場合に限り、使用できます。
葺き替え時の選択肢は多いので、好みの屋根材を選びやすいでしょう。日本瓦は耐久性や防音性、断熱性に優れている特徴があります。防音面では、これまでの厚みのある日本瓦の屋根から他の屋根材に変更した際に雨音が響きやすくなるといったケースも考えられます。
また、瓦と下地材の間にある空気層が断熱性能を持たせていましたが、他の屋根材へと葺き替える際に、断熱性能が低下する可能性も。
屋根材選びは、既存の屋根と新しい屋根材の性能にも注目してみるとよいでしょう。
ガルバリウム鋼板
軽量であることから、広く葺き替えに用いることが可能な屋根材です。
近年では、ガルバリウム鋼板をより改良したSGL鋼板と呼ばれる金属屋根も普及しています。『スーパーガルテクト』や『横暖ルーフ』といったSGL鋼板を使用した屋根材は、耐久性や断熱性にも優れる、人気の屋根材です。
さらに、従来のガルバリウム鋼板と比較すると3倍の耐食性があり、塩害が気になる沿岸地域でも取り入れやすいメリットがあります。
スレート
葺き替え時に、スレートよりも重たい瓦屋根を選択することはできません。
葺き替え時の施工単価を抑えられ、価格を抑えたいときに選択しやすいでしょう。
また、カラーバリエーションやデザインも豊富なので、意匠性にも優れています。
雨漏り修理方法、ベストな選択を行うには?
葺き替えやカバー工法など、判断が難しい雨漏り修理方法。
ベストな選択を行うために、以下のような屋根修理業者に相談して決められるとよいでしょう。
- 屋根の状態を正確に診断できる
- お客様の意向も伺い最適な提案を行える
- スピーディーに丁寧な施工ができる
まず、屋根の状態に合わせた雨漏り修理方法を確認するために、きちんと診断できる屋根修理業者を選びましょう。雨漏りがあれば、施工金額が高いというだけで、一様に葺き替え工事のみを勧める悪徳な屋根修理業者もいます。屋根の状態に合わせて、またお客様の意向も伺いながら納得のいく雨漏り修理の提案が受けられるとよいでしょう。
また、雨漏りは放置すれば被害が広がるため、スピーディーな対応かつ丁寧に施工ができると安心です。口コミなども参考の上、信頼できる屋根修理業者を探してみましょう。
まとめ
雨漏り時には迅速な修理が求められますが、焦らず納得した上で施工を依頼しましょう。葺き替えを行う際には、長く快適に暮らせるよう使用する屋根材にも気を配ってみてください。
エーストラストでは雨漏り診断士が在籍し、屋根の状態確認をしっかりと行った上で、雨漏り修理にあたります。
大阪府で雨漏り修理をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。