車庫やガレージからの雨漏りの原因と修理方法
2023/11/27
雨漏りというと住宅で発生するトラブルと考えられがちですが、意外にもよく起こるのが車庫やガレージです。
車庫やガレージは、車を紫外線や雨から守るため敷地内に設置されている方も多いですね。
構造によって差はあるものの、住宅と比べると簡易的な作りになっていることが多い車庫やガレージは、住宅よりも雨漏りが起こりやすくなります。
この記事では、車庫やガレージからの雨漏りの原因や修理方法についてご紹介します。
車庫やガレージからの雨漏りにお困りの方や、事前に対策を取っておきたい方、これから車庫やガレージを設置される予定のある方は、ぜひ参考にしてください。
車庫やガレージの雨漏りの原因
車庫やガレージの雨漏りの主な原因として、以下の7つが挙げられます。
屋根・外壁塗装の劣化
独立型の車庫やガレージに多いのが、屋根や外壁塗装の劣化によって起こる雨漏りです。
新築当初は、防水加工が施されるため心配ありません。しかし、築年数が長くなるにつれて屋根や外壁塗装の経年劣化により防水効果が低下し、雨水が徐々に染み込んで雨漏りが発生します。
特に木造の場合は、内部に侵入した雨水が原因でカビや内部構造の腐食につながりやすく、被害が大きくなりやすいです。
▷参考記事:外壁から雨漏りが起こる理由と対処法
屋根の劣化・サビ
独立型の車庫やガレージは、屋根や外壁の塗装だけでなく、屋根そのものの劣化やサビが原因で雨漏りが発生することがあります。
一般的に、車庫やガレージの屋根はポリカーボネイドやガルバリウム鋼板などの屋根材が使われることが多いですが、これらの屋根材は経年によって雨漏りが起こりやすくなります。
まず、ポリカーボネイドについては衝撃に強い素材である一方で、経年によって熱で変形を起こすことがあります。さらに、雹などの衝撃で穴が空いてしまうこともあり、これらのトラブルが雨漏りを引き起こす原因となります。
一方で、ガルバリウム鋼板についてはサビにくく耐食性に優れた金属製の屋根材ですが、傷やへこみがつきやすいといったデメリットがあります。また、サビにくいとはいえ、傷がついた箇所をそのまま放置しておくとサビが進行し、最終的には穴が空き雨漏りを引き起こすこと可能性があります。
▷参考記事:カーポート屋根の修理方法について解説
結露の発生
結露が発生しやすい車庫やガレージの場合、結露が原因で雨漏りが発生することがあります。
特に独立型の車庫やガレージで金属の折板屋根の場合や、掘り込み型ガレージでは結露が起こりやすいため注意が必要です。
金属の折板屋根の場合は、下地がないため季節によっては車庫やガレージの内外の気温差が大きくなり結露が発生しやすくなります。
掘り込み型ガレージについては、湿気がこもりやすい構造のため、結露が起こりやすいです。
これらの結露が発生しやすい環境下では、木材にカビが発生したり金属にサビが生じるなどのトラブルが起こりやすく、これらのトラブルが進行することで屋根に穴が空いたり木材が腐食するなどして、最終的に雨漏りを引き起こす可能性が高まります。
屋根・樋の排水不良
屋根や樋の排水不良が起こることも雨漏りの原因の一つとして挙げられます。
特に、住宅と隣接している車庫やガレージでは、住宅の屋根に降った雨が車庫やガレージの屋根に流れ込むような構造の場合は、注意が必要です。
こうした構造では、住宅と車庫やガレージに降った雨が合流し、車庫側の排水がオーバーフローを引き起こしやすくなります。また、屋根には落ち葉やごみなどが溜まりやすく、排水経路を詰まらせてしまうこともあります。
これらの原因によって屋根や樋の排水不良が生じると、排水されなかった雨水が予想外の場所に流れ込み雨漏りを引き起こす可能性があるのです。
▷参考記事:雨樋も雨漏りの原因に?雨樋の役割とメンテナンス方法を解説
防水工事の劣化
一般的に、コンクリート製の車庫やガレージを新築する際には防水工事が行われます。
しかし、経年に伴って劣化が進むとひび割れなどが発生しやすくなり、最終的に雨漏りの原因になることがあります。
特に、ビルトインガレージでガレージの上部がテラスや住居で庭が設置されている場合、植物の根が防水層やコンクリートを破損させ、雨漏りが生じることもあります。
施工不良
組み立て式の既製品の車庫やガレージに多いのが、施工不良によって起こる雨漏りです。
例えば、メーカーの指定通りに基礎工事が行われていない場合や、ビスの締め付けが緩い場合など、すき間やビス穴から雨漏りが生じることがあります。
さらに、台風や強風などの自然災害による影響も考慮する必要があります。自然災害が発生することで割れてしまったり、部品が外れてしまうことがあり、これらのトラブルによって雨漏りが発生することもあるため注意が必要です。
その他、ガレージの種類特有のもの
その他にも、ガレージの種類特有の原因によって雨漏りが発生することがあります。
例えば、ビルトインガレージの場合では住宅部分の防水施工が劣化することで、雨漏りが発生する可能性があります。
また、掘り込み型の車庫で地面をくり抜いた形状で上部に住宅などの思いものがある場合は、重量によって車庫の天井部分にたわみ発生し、最終的に車庫内部にひび割れが生じて雨漏りが発生することもあります。
車庫やガレージの種類・構造
一般的によく利用される車庫やガレージには、主に以下の5つの構造があります。
| 構造 | 特徴 |
| — | — |
| 木造 | 住宅と同じような建築方法で作られている |
| 重量鉄骨上 | 大型で複数台の車を収容可能 |
| 既製品 | 組み立て式で、気軽に設置しやすい |
| ビルトイン | 建物の一部として組み込まれており、デザインに統一感を持たせることができる |
| 掘り込み型 | 主に傾斜地や庭、家屋の下部分を利用したコンクリート造のもの |
これらの構造にはそれぞれ異なる特徴があり、雨漏りへの対策も異なります。
車庫やガレージの雨漏りの修理方法
車庫やガレージに雨漏りが発生した場合、以下のような修理方法があります。
ただし、修理には専門的な知識と技術が必要なため、修理は専門業者への依頼が最適です。
部分補修
雨漏りの症状がひび割れやコーキングの劣化など軽微なものである場合は、部分的な補修で解決できることがあります。
木造や金属部分の場合は、補修後に塗装を行うことで防水性を強化できます。特に木造の場合は塗装が追加の保護層となるため、耐候性を向上させるでしょう。
一方、コンクリートのひび割れに対しては、コーキング材やモルタルを塗布して補修するのが一般的です。これにより、雨水の侵入を防ぐことができます。
DIYで補修することも可能ですが、見えない箇所で雨漏りが進行している可能性もあるため、作業は慎重に行う必要があります。専門業者に依頼すれば、的確な診断と正確な補修をしてもらえますので、専門家に依頼した方が安心です。
▷参考記事:安易なコーキング補修は雨漏り修理に逆効果!注意点と正しい修理方法を解説
屋根カバー工法、葺き替え
屋根材の傷みが全体的に激しい場合には、以下の2つのメンテナンス方法を行うのが一般的です。
【カバー工法】
カバー工法には、屋根の上に防水シートを貼る工法と、新しい屋根を重ね葺きする工法の2つがあります。
防水シートを貼る場合は、屋根と防水シートの間に断熱材を挟みます。費用は比較的低く抑えられますが、15年毎の張り替えが必要です。
また、新しい屋根を重ね葺きする場合は、ガルバリウム鋼板の屋根を使用することが多く、断熱材の使用はオプションです。耐用年数は20~30年と長くなります。
【葺き替え】
葺き替えを実施する場合は、既存の屋根を撤去して新しい屋根を葺きます。撤去する手間がかかる分、カバー工法よりコストがかかり工期も長くなります。
防水工事
車庫やガレージの防水加工の劣化が原因で雨漏りが起こっている場合には、防水層の補修や防水工事を行います。
工事方法は車庫やガレージの状況や周辺の環境によって異なりますが、シート防水や塗膜防水などの防水処置を実施し、コンクリートに水が染み込まないようにするのが一般的です。
車庫やガレージにも耐用年数がある
車庫やガレージは住宅と違いメンテナンスをする認識があまりない方もいらっしゃいますが、住宅同様に車庫やガレージも定期的なメンテナンスが必要です。
構造や環境などによって異なりますが、木造や金属製の車庫やガレージの一般的な耐用年数は20~30年、鉄筋コンクリートの場合は30~50年といわれています。
耐用年数を知るとあまりメンテナンスが必要ないような印象を受けますが、あくまでも耐用年数は目安であり、経年に伴い徐々に劣化が見られるため定期的なメンテナンスは必要です。
住宅同様、車庫やガレージも10年に一度のペースで塗装施工をするなど防水性能を維持するためのメンテナンスを行うべきだといえるでしょう。
定期的なメンテナンスを行うことで、安全性や外観の維持、雨漏りの予防にもつながりますので、将来的な大規模な修繕は回避できます。
気象被害によるものは火災保険が適用される場合も
定期的なメンテナンスを行うことで、雨漏りなどのトラブルを予防できますが、気象災害による雨漏りは回避するのが難しいで場合もあります。
気象災害による雨漏りについては、被害状況に応じて「火災保険」が適用される可能性があります。
通常、火災保険は建物が火事などによって損傷を受けた場合に補償が行われますが、防風や落雷、雪、雹などの気象現象によって引き起こされた被害も一部補償の対象になることがあります。
火災保険に加入されている方で、気象災害による雨漏りのお悩みの方は、火災保険の補償範囲を確認することが重要です。被害状況や契約内容によって異なるため、まずは火災保険を加入している保険会社に相談されることをおすすめします。
▷参考記事:屋根修理に火災保険は活用できる?
車庫やガレージの雨漏りを放置するのは危険!
被害状況や構造によって対応が異なりますが、車庫やガレージの雨漏りの修理には一定のコストがかかります。また、場合によっては緊急性が低いと感じそのまま放置している方もいるでしょう。
しかし、放置することはとても危険です。
例えば、車庫やガレージの内部に雨漏りが続いている場合は、車庫やガレージの土台として組まれている鉄筋がサビてしまう可能性があります。このサビが進行すると最悪の場合、土台が弱体化し倒壊などのリスクが高くなります。
さらに、コンクリート製の車庫やガレージについては、コンクリートが鉄筋から剥がれ落ちる可能性があり、木造については雨漏りによって木材がカビの発生や腐食のリスクにさらされ、最終的には倒壊の可能性が生じます。
このように車庫やガレージの雨漏りを放置していると、様々なリスクが高まりますので、早急に対処することが重要です。
まとめ
車庫やガレージの雨漏りは、経年劣化や結露、排水不良などが原因となりやすいです。
建物の構造や環境によっても異なりますが、一般的な耐用年数は20年以上と長いものの、メンテナンスフリーとは言い難く、屋根や外壁の塗装など10年に一度のペースで定期的なメンテナンスを行う必要があります。
車庫やガレージのメンテナンスや雨漏りの修理は、見えない箇所のトラブルを発見するのが難しいため、慎重な作業が求められます。専門業者に依頼すれば、的確な診断と正確な補修をしてもらえますので、専門家に依頼した方が安心でしょう。
株式会社エーストラストでは、大阪府泉大津市を中心に雨漏り修理や屋根修理、外壁塗装、雨樋工事、板金工事、漆喰工事など幅広く提供しています。
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