屋根の「換気棟」とは?
2023/06/30
この記事を読んでいるみなさんは「屋根の換気棟って何?」と思っているかたが多いと思います。
普段の生活で換気棟について考える機会はほとんどないので知らなくて当然と言えます。
換気棟とは「屋根裏の換気装置」です。
この記事では「屋根の換気棟」の役割・重要性・メンテナンス方法などについて詳しく解説していきます。
屋根の換気棟とは?
屋根の換気棟とは、建物の屋根上に設置される換気装置のことです。屋根の形状に合わせて設計され、通常は屋根の最上部に位置します。換気棟は通気孔を備えており、建物内部の空気の循環や換気を促進する役割を果たします。
屋根裏の湿気を排出し、新鮮な空気を取り入れることで、室内環境の快適さや健康性を向上させます。また、結露の発生を防止し、屋根材や構造体の劣化を防ぐ役割も。さらに、熱の除去やエネルギー効率の向上にも寄与します。
屋根の換気棟は、建物の換気システムの一部として設置され、屋根構造に統合されることが一般的です。デザインや機能は様々であり、建物の種類や気候条件に応じて適切な換気棟があります。
屋根の換気棟4つの役割
屋根の換気棟は、住宅や建物の換気システムにおいて重要な役割を果たします。以下に屋根の換気棟の主な役割を4つ解説します。
①空気の循環と換気の促進
屋根の換気棟は、建物内部の空気の循環や換気を促進します。屋根裏や居住空間内の湿気や汚染物質を排出し、新鮮な空気を取り入れることにより、快適な室内環境を維持します。
②結露の防止
屋根裏や換気不足の空間に湿気がこもると、結露が発生する可能性があります。換気棟は湿気を外部に排出し、結露の発生を抑制する役割を果たします。これにより、屋根材や構造体の劣化やカビの発生を防ぎます。
③熱の除去
屋根は太陽からの熱を受けやすい場所です。換気棟は熱がこもる屋根裏空間の熱を効果的に除去し、建物内部の温度上昇を抑えます。これにより、冷房負荷を軽減し、エネルギー効率を向上させることができます。
④ エネルギー効率の向上
換気棟による効果的な換気は、建物のエネルギー効率を向上させることができます。湿気や熱がこもることによるエネルギーの浪費を抑制し、居住空間の快適さと省エネルギーを両立させることが可能です。
屋根裏換気の重要な2つの理由
住宅の屋根裏換気は非常に重要です。以下にその理由を2つ解説します。
①湿気とカビの防止
屋根裏は、外気や室内の湿気が蓄積されやすい場所です。適切な換気がないと、湿気が屋根裏にこもり、カビの成長を促します。湿気の蓄積は建物の構造に損害を与える可能性もあり、室内の空気品質にも悪影響を与えかねません。
②屋根材の劣化防止
不適切な屋根裏換気は、屋根材の劣化を引き起こします。湿気が屋根裏にこもり、木材や断熱材を腐らせることがあります。また、高温や湿度の上昇により、屋根材の劣化や変形が進むこともあります。
これらの理由から、適切な屋根裏換気は住宅の健全性、耐久性、エネルギー効率に関わる重要な要素です。建築基準や地域の気候条件に応じた換気方法を導入することが推奨されます。
屋根裏換気の3つの方法
住宅の屋根裏換気を行う方法はいくつかあります。以下に一般的な3つの方法をご紹介します。
① 自然換気
屋根裏に通気口を設けることで、新鮮な外気を取り入れることができます。通気口は屋根の傾斜部や軒先に設置され、風が自然に通り抜けるようにします。
②機械式換気
屋根裏に換気ファンを設置することで、空気の循環を促進します。換気ファンは通気口や排気口に設置され、電力やソーラーパネルからの動力で運転されます。
③棟換気
換気棟を屋根に設置することで、室内の熱の移動を制御し、屋根裏内の温度上昇を防ぐことができます。これにより、屋根裏換気による効果が最大限に引き出されます。
換気棟が人気がない4つの理由
住宅の換気棟が人気がない理由はいくつか考えられます。ここでは代表的な4つの理由を解説します。
①知識の不足
一般の住宅所有者や建築家にとって、換気棟の存在やその重要性についての知識が不足している場合があります。適切な換気の重要性や換気棟の利点について正しく理解されていないため、積極的に採用されません。
②視覚的な外観
換気棟は建物の屋根上に設置されるため、その外観が建物全体のデザインに影響を及ぼすことがあります。美観や建物の外観にこだわる所有者や設計者は、換気棟を目立たせたくないので設置を嫌がります。
③高コスト
換気棟の設置には、設計、製造、施工、およびメンテナンスの費用がかかる場合があります。これに加えて、保守コストが発生する場合もあります。高コストが人々が換気棟を選択しない理由の一つです。
④ 雨漏りの心配
この理由はとても単純で、換気棟は屋根の頂上部分に穴を開ける施工方法ですので、一般消費者の方の間では「雨漏り」の心配がどうしてもあるようです。熟練の屋根職人が施工を行う屋根工事専門の業者が丁寧に施工を行う場合、「換気棟」のせいで雨漏りが発生する可能性は低いです。
これらは一般的な理由ですが、個々の状況や地域によっても異なる可能性があります。建築や換気に関する専門家のアドバイスを受けることで、最適な換気方法や装置を選択することが重要です。
換気棟のメンテナンス方法は?
換気棟は錆びにくく耐久性に優れているガルバリウム鋼板が中心ですが、棟板金同様に経年劣化により穴が開いてしまい雨漏りを引き起こす原因にもなります。
雨漏りを引き起こさないためにも、定期的なメンテナンスが必要となります。
住宅の換気棟のメンテナンスは以下の3つが一般的に行われます。
①釘やビス固定確認
棟板金同様に強風の影響を受けやすいため外れにくい構造にはなっていますが、経年劣化によって外れてしまう可能性もあります。定期的に固定されているか確認が必要です。
②シーリング材の経年劣化
棟板金との取り合いに施工されているシーリング材は5年前後で劣化してしまいます。換気棟だけでなくシーリング材が使用されている箇所は肉痩せやひび割れが起きないかを確認しましょう。
③錆
色あせや錆が発生し、そのまま進行すれば耐久性を著しく低下させ穴が開いてしまえば雨漏りに発展してしまいます。定期的な屋根塗装工事で塗膜保護を行うようにしましょう。
これらのメンテナンスを定期的に実施することで、換気棟の効果的な機能と耐久性を保つことができます。
エーストラストでの棟換気工事について
エーストラストでは30坪の屋根面積は換気棟(ノーマルタイプ)で、それ以上の坪なら換気棟Lをおすすめしています。屋根面積が広くてもノーマルでも大丈夫ですが、3万円程度の費用の差なので、Lをつけた方が換気効率などがよいのでおすすめです。
大阪は暑いので、室内の暑さに影響する小屋裏の温度を下げてくれる換気棟はおすすめです。特に特に3階建ての家は暑いから強くオススメしています。
エーストラストでの棟換気設置に掛かる費用は材料代込みで5万円程度です。
パミール屋根の時は、パミールは吸水率が高いためカバー工法時には必ず棟換気を付けるようにご提案をしています。
エーストラストの棟換気の施工事例
和泉市にて屋根修理〈パミール屋根カバー工法〉
大阪府泉大津市にて中古住宅屋根修理〈瓦屋根葺き替え〉
大阪府堺市にて屋根修理〈スレート屋根カバー工法〉
まとめ
当記事では屋根の換気棟について解説しました。
換気棟は住宅環境を維持するために重要な設備であることがご理解いただけたかと存じます。
特に暑い大阪では、二階や三階など高い位置の部屋の上の屋根にはおすすめです。換気によって小屋裏の温度が下がることで室温が下がるだけでなく、住宅の内部結露も防いでくれます。
ただし施工には経験が必要なため、換気棟の施工例が豊富な業者に依頼されると安心です。
\職人からのコメント/
何故棟換気の設置は難しいと言われているのでしょうか?
よく耳にするのは「棟換気を設置したら雨漏りが起きた」というトラブルですが、経験が浅い職人だと各家の形状、屋根の形状による雨水の流れを理解しておらず、メーカー発行のトリセツ通りにやっても現場ごとに工夫が必要な場合が多く、経験が求められます。板金に関する知識や経験がないと棟換気の設置は難しいと言えます。換気棟の設置は経験豊富な業者に依頼されることをおすすめします。