雨漏りの放置は危険!雨漏りによる二次被害に注意しよう
2022/10/30
家に雨漏りがしているのを、そのまま放置するとどうなるのでしょうか。
屋内にまで雨水が浸入して水浸しになるようであれば、どうにかしないといけないと対処するでしょうが、壁や天井にシミができている程度なら放置しているという人は少なくないかもしれません。
でも実は怖い二次被害を引き起こすことがあります。
雨漏りを放置している間に何が起こっているか
木材が腐食していく
雨漏りによって浸入した雨水は、野地板や野垂木などの下地に染み込んだり伝ったりしながら天井へ落ちたり柱へ伝わったり、あらゆるルートで屋内へと浸入していくわけですが、当然木材を濡らしていきます。陽も当たらず風通しも悪い部分で水分を含んだ木材は乾きづらく、湿気が多くじめじめした環境にさらされます。そうなれば菌が繁殖しやすくなり、木材を腐食させ劣化させます。鉄骨造や鉄筋コンクリートの場合は、サビが発生します。雨漏りの放置期間が長ければ長いほど、木材の腐食は進み、家の主要な柱や梁にも及び、家自体の構造や耐久力にまで影響していきます。
場合によっては家が傾いてしまったり、歪んでしまったりします。そうなると、当然住宅としての価値は大きく下がってしまいますし、直せないほどに被害広がれば解体という結果もありえます。直すにしても安くない費用がかかることでしょう。
たとえ家の構造体にまで影響していなかったとしても、屋根周辺の野地板や野垂木が傷み、腐食していれば少なくとも屋根の葺き替え時に解体・撤去し新設する必要が出てきますので、余分な費用がかさんでしまいます。
侮れない湿気による被害
雨漏りに気が付くのは天井や壁にシミができているのを発見した時が多いようです。少量の雨漏りであったとしても、そのまま雨漏りを放置しておくと、シミがだんだん広がっていき、さらに放置すると壁紙、クロスが浮いてきたり剝がれてきます。この時に起きるのが、カビの発生です。カビは嫌な臭いだけでなくアレルギーやぜんそくなどを引き起こしますが、居室でカビが発生していると人間の健康に被害を及ぼします。花粉症ではない人でも、くしゃみ、鼻づまり、鼻水などアレルギー性鼻炎を発症し、深刻な気管支ぜんそくや呼吸困難、肺炎まで発展します。
もちろん、カビが発生するころには屋根の下地や木部の傷み、腐食はかなり進んでいる段階になります。
雨漏りを放置することで家全体の湿度が高くなると、カビと同様にダニの増殖を促進します。ダニは高温多湿の環境を好むことはよく知られています。ダニには種類がありますが、床や布団に発生し、人体にアレルギーを起こしたり、死骸やフンが原因で体調を崩すことがあります。
また、雨水の浸入や湿気による結露などから、電気配線や電気製品がダメージを受け漏電を起こすこともあります。通常は、電気系統には絶縁対策がされていますが、水分が絶縁体の隙間に浸入すると、漏電を起こすことがないとはいえません。漏電は、製品などの故障や停電の原因となり、電気代が高くなったりします。最悪の場合、人が感電する、さらに火事の原因になるということも考えられます。記憶に新しい数年前の沖縄・首里城の全焼火災の原因が漏電だった可能性が指摘されています。
シロアリ、ハクビシンなどの被害も
雨漏りの放置で湿り、傷んで腐食している木材はシロアリの恰好のエサとなります。シロアリはいったん住みつくと少しずつでも確実に木材を食いつぶしていきます。しかも内部の木材を食べていくため、見た目には意外とわかりません。床がふわふわしてきたり、建て付けが悪くなってきたときは手遅れのケースが多いのです。たとえ早期に発見できたとしても、けっして安くはないシロアリ駆除費用が必要になる場合もあります。シロアリに木材を食い荒らされると当然建物の耐久性・安全性が低下し、傾いたり地震などで倒壊する可能性が高くなってしまいます。
他にも、ネズミやハクビシンといった小動物の侵入例があります。最近、地域によっては急増しているハクビシンは、かなり小さい隙間でも侵入でき、多少の高さなら登ってしまうため、より居心地の良い屋根裏の生活環境を求めて移動しています。雨漏りしていない家よりは、湿気や水分が多い屋根裏を好んで住みつき、大量のフンで天井が抜けたという事例もあります。
まとめ
「まだ大したことない」と雨漏りを放置すると、どんな事態が進行しているか、わかっていただけましたか。住宅という貴重な資産価値を大きく下げてしまうだけでなく、自分や家族の健康被害にも発展しかねません。雨漏りは、放置しても被害が拡大することはあっても自然に直ることはありません。早めに修理することをおススメします。
雨漏りの原因や箇所によっては自分で応急処置などができることはありますが、できるだけ早く専門の業者へ修理を依頼するのがいいでしょう。
施工例
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