建築板金とは？雨漏りから建物を守るために欠かせない雨仕舞いと板金屋の役割について
2022/05/18
板金屋の役割
「屋根屋さん」というと、瓦屋さんや雨漏り修理屋さんなどを思い浮かべる方も多くいらっしゃると思います。実は、「屋根屋さん」には大きく分けて２種類の業種があるのです。
一つは和瓦や洋瓦などといった陶器製の焼き物を扱う瓦屋さん。もうひとつは、主に加工した金属板を扱う板金屋さんです。
瓦屋さんについては、みなさん容易に想像していただけていることでしょう。しかし、板金屋さんと聞いていまいちピンとこない方もいらっしゃるのではないでしょうか？板金屋は、住宅など建物に欠かせない建築板金の技術に特化した業種のこと。わたしたちエーストラストは後者の板金屋にあたります。
板金屋は金属屋根材はもちろん、皆さんのお家に欠かせない雨樋や庇、棟などといった「雨仕舞い」と呼ばれる施工をおこないます。つまり、瓦工事以外の屋根にはほぼ全てに関わりのある業種というわけです。瓦工事の際も、建物内への雨水の侵入を防ぐ肝心な部分には必ず金属板が使われています。また、窯業系屋根材（通常スレートと呼ばれる屋根材）の施工も主に板金屋がおこないます。
手先が器用なことはもちろんのこと、高所での作業に優れ、屋根の雨漏りを防ぐため金属板を曲げる、切る、叩くなどといったの高度な技術で施工をし、皆さまの大切なお住まいや建物を雨水の侵入から守るのが私たちの役割です。
建物に欠かせない雨仕舞いの必要性
上記で触れた雨仕舞いについて、もっと詳しく解説していきましょう。雨を仕舞うと書く「雨仕舞い」。建築用語としては一般的ですが、普段聞き慣れない方にとっては何のこと？とお思いの方もいらっしゃいます。
雨水を仕舞う、つまり、建物へ降りかかる雨水をしかるべき箇所へ適切に納め、受け流すのが雨仕舞いの役割です。建物のさまざまな箇所に雨水が溜まったり残っていると、やがて建物の内部にまで浸水してしまいます。
そうすると建物の構造物である木材などの下地を腐食させ、雨漏りや害虫被害などといった大きな損害を及ぼしてしまいます。
そうならないように雨水を適切に排水するのが雨仕舞いというわけです。
屋根や外壁、窓枠などから雨水が建物内部に浸入しないようにします。
では、建物において一番雨漏りが起こりやすいのはどこでしょうか？多くの方はなんとなく屋根のどこかだと予想されると思います。実は、建物で雨漏りが起こりやすいのは「取り合い」と呼ばれる違う部材同士が結合される部分なのです。
具体的な例を挙げると、2階建ての建物で1階の屋根と外壁の結合部分などです。外壁はほぼ垂直、それに対し、屋根などは勾配があるものの水平に近い角度で取り付けられていますよね。これは外壁を伝ってきた雨水などの流れを妨げるように接合されているのです。
▼赤い丸で囲っている箇所が「取り合い」です▼
こういった垂直の部分に対し、雨水の流れを妨げてしまうものがあるとそこに雨水が溜まってしまいます。そのような箇所から建物の内部へ雨水が侵入しやすくなるため、雨水をガードしたり、スムーズに流れやすくするための工夫が必要なのです。
建物にはそれぞれ違った間取りや空間、外観があるように、屋根の形状や外壁など、雨仕舞いを行う必要がある箇所の形状も建物によってそれぞれ異なります。中には築年数が高いと、その建物の形状に合った雨仕舞いをおこなうための建材が廃盤になっているというケースも少なくありません。
そんな時こそ、私たち板金屋にお任せください。雨仕舞いは建物に必要不可欠な存在。廃盤だからといって取り付けないわけにはいけません。
私たち板金職人は、金属板専用の折り曲げ機を使い板金を加工する技術を持っています。
さらにエーストラストでは、自社に大型の折り曲げ機に加え、現場でも加工可能な小型の折り曲げ機共に備えておりますので、急を要する修理や大小関係なくさまざまな形状に対応可能です。
写真のように、現場で実際の箇所を見てサイズをきっちり確かめ、職人がその箇所の形状にあった板金に仕上げることで、確実な雨仕舞いを施工することが可能になります。
きちんと雨仕舞いができていれば、半永久的に雨漏りから建物を守ることができるのです。
また、ただ形状にあった板金を作るだけではありません。雨水の流れを計算し、雨水が住宅に侵入することのないよう確実な作業をします。
建物の隙間やつなぎ目の部分を台風や雨や風などから守るために細かな手作業での板金加工はもちろん、雨水の流れを計算した上での施工はやはり、熟練の職人でなければ成せない技術と言えるでしょう。
そのため、板金屋及び建築板金は建物にとって必要不可欠な存在というわけです。
↑切った折口をこのように折り返しています。
まとめ
今回は建物にとって必要不可欠な建築板金に加え、私たち板金屋の役割についてお話させていただきました。普段あまり目にすることがなく目立たない存在とも言える雨仕舞いが、雨水から建物を、そして皆さまの暮らしをどのように守っているのかがお分かりいただけたかと思います。言うまでもなく、雨水は建物にとって一番の敵。その雨水から漏れなくしっかり建物を守ることが、お住まいを長く健康に保つための秘訣なのです。
大阪での雨漏り修理・板金工事をお考えの方はぜひ一度、エーストラストにご相談ください。
＼職人からのコメント／
ガルバニウム鋼板は錆びないと言われていますが、錆びるときがあります。それは「切った切口からの錆」です。
そのため弊社では断面は折返して、雨水が当たらないように、露出しないように工夫して施工しています。
他にもガルバニウム鋼板が錆びる原因としてはもらい錆があり、ガルバニウムを切ったときの切り粉が屋根材表面につくと、それがサビの原因になることもあるため、慎重に施工を行っています。