雨漏りの原因は毛細管現象?屋根に発生する毛細管現象について解説
2023/12/26
一口に雨漏りといっても屋根や外壁、配管などその原因は様々ですが、その中の一つに屋根で起こる毛細管現象が原因のものがあります。
この記事では、屋根に発生する毛細管現象が起因の雨漏りに焦点を当ててご紹介します。
原因不明の雨漏りにお悩みの方や、いざという時にスムーズに雨漏り対策が取れるよう知っておきたい方は、ぜひ参考にしてください。
雨漏りの原因となる毛細管現象とは?
そもそも「毛細管現象」とは、細い管の中にある液体が、上昇または下降する現象のことをいいます。
これは、表面張力と呼ばれ、細い管の中にある液体がより多くの管表面に触れようとする性質によって引き起こされます。
具体的な例として、ストローやタオルを水に浸すと水面より高い位置まで水が上昇する現象が見られます。また、霜柱も毛細管現象によって土中の水分が上昇して凍ることで形成されます。
この毛細管現象が屋根で発生すると、雨漏りの原因となるのです。具体的にどのような症状が起因となり雨漏りが発生するのかにつきましては、次の章で詳しくご紹介していきます。
毛細管現象で雨漏りが起こる3つの原因
屋根で毛細管現象が起こると雨漏りが発生する可能性が高くなる理由として、次の3つが挙げられます。
- ・屋根塗装の際にすき間に塗料が入り込んでしまった
- ・屋根材のすき間に汚れや苔などが溜まっている
- ・ラバーロック法を用いた瓦屋根
順番に見ていきましょう。
屋根塗装の際にすき間に塗料が入り込んでしまった
屋根は瓦や鋼板などの屋根材をつなぎ合わせた構造をしており、通常、屋根材同士には一定のすき間があります。
このすき間は、建物内の湿度を調整する役割や、一段下の屋根材からの雨水が排水して雨漏りが起こらないよう防ぐために設けられています。
屋根にすき間があるというと雨漏りが起こるのではないかと不安に感じるかもしれませんが、屋根においては屋根材同士に一定のすき間があることで、雨漏りを防ぐ働きをしているのです。
しかし、リフォームや屋根塗装の塗り替えの際、すき間に塗料が入り込んだことですき間が塞がれると、雨水の逃げ道がなくなり毛細管現象が起こりやすくなります。
特に、屋根材にコロニアルなどのストレート材を使っている場合は、毛細管現象が起こりやすい傾向がありますので注意が必要です。
屋根塗装後に雨漏りが起こるようになった場合は、屋根塗装によって毛細管現象が発生した可能性が高いと考えられるでしょう。
屋根材のすき間に汚れや苔などが溜まっている
屋根材同士のすき間を塞いでしまうのは、塗料だけではありません。外部からの汚れの影響も挙げられます。
屋根は常に雨風にさらされているため、汚れが蓄積しやすい場所となります。また、雨などの影響で湿度が高い場合には苔やカビが発生することもあります。
このようにホコリや苔、カビなどの汚れの蓄積によって、屋根材のすき間が塞がれることも、毛細管現象の発生が促進され、雨漏りが発生する可能性が高まります。
ラバーロック法を用いた瓦屋根
ラバーロック法とは、瓦同士をコーキングで固定する方法です。
この方法は、瓦同士がしっかりと固定されるため地震対策として効果的である反面、施工の仕方によっては瓦同士をコーキングすることで適切なすき間がなくなり、毛細管現象が起こる可能性が高くなります。
特に、経年によりコーキング材が劣化すると、すき間が生じやすくなり雨漏りに繋がります。
ラバーロック法だから必ず起こるということはありませんが、毛細管現象をはじめ屋根瓦のコーキングについて正しい知識と実績のある業者が施工しないと、雨漏りの発生リスクが高まります。
原因不明の雨漏りは毛細管現象の可能性あり
実際に雨漏りが起こっているのにもかかわらず、屋根や外壁、配管周りなどに異常がなく、雨漏りの発生原因が分からないといったケースは少なくありません。
このように、原因不明の雨漏りが起こっている場合、屋根で毛細管現象が起こっている可能性が考えられます。
毛細管現象は、屋根材同士のすき間が何らかの理由によって塞がれていることで起こります。しかし、目に見えた損傷はなく、具体的な場所を見つけることが難しいのが特徴です。。
毛細管現象は、経験豊富な業者であれば比較的早期に発見できることがありますが、中には見逃されることもあり、その結果、雨漏りによる被害が進行する可能性があります。
原因不明の雨漏りに悩んでいる場合は、信頼性の高い専門業者に相談し、的確な診断と対策を検討することが重要だといえるでしょう。
毛細管現象による雨漏りを防ぐ2つの方法
ここからは、屋根の毛細管現象による雨漏りを防ぐ方法について、2つご紹介します。
屋根塗装は実績があり信頼できる業者に依頼する
屋根の毛細管現象を予防するには、屋根塗装を検討する際に業者選びに注意することが重要です。
毛細管現象が起こる原因でもお伝えしました通り屋根塗装においては、屋根材のすき間に塗料が入り込み、すき間を塞いでしまうことで毛細管現象が発生する可能性が高まります。
この問題を防ぐためには、屋根塗装時にすき間を確保する縁起りと呼ばれる作業を行う必要があります。
一般的には、タスペーサーと呼ばれるプラスチック製の部材を差し込むことで、すき間を確保し、毛細管現象を防ぐことが可能です。
屋根塗装を行う際、こうした知識や経験がある業者であれば、縁起りを行いますので塗料による毛細管現象は起こりにくくなるでしょう。
屋根塗装の業者を選ぶ際には、このような知識や経験、実績があり信頼できる業者に依頼されることをおすすめします。
定期的な点検とメンテナンスを実施する
ホコリや苔、カビなどの汚れが詰まることで起こる毛細管現象を防ぐためには、屋根の定期的な点検とメンテナンスを実施が不可欠です。
ただし、これらの作業は高所での作業となるため、非常に危険です。メンテナンスだけでなく、点検の際にも安全確保が重要となりますので、必ず専門業者に依頼するようにしましょう。
毛細管現象の雨漏りの対処法
毛細管現象による雨漏りが発生した場合には、対処法として以下の2つの方法があります。
ただし、どちらの場合も高所作業かつ専門的な作業になりますので、経験と技術を持つ専門業者に依頼することが重要です。DIYで実施するのは非常に危険ですので、ご注意ください。
屋根の縁起りを行う
屋根塗装の際に縁起り不足により毛細管現象が発生している場合は、塗料で塞がれた屋根材のすき間に縁起り作業を行い、適切なすき間を作ります。
次に、縁切りを実施した場所のすき間を確保するために、タスペーサーという部材を挟み込みます。
こうすることで、物理的にすき間を設けることができるため、毛細管現象による雨漏りを止めることができるのです。
ただし、この作業はすべての屋根に適応するわけではありません。中には、タスペーサーを挿入できない屋根もあり、このような屋根に強引にタスペーサーを挿入すると、屋根材が折れてしまい雨漏りのリスクが高まります。
適切な施工方法につきましては、専門業者と相談のうえで実施を依頼しましょう。
ホコリや苔、カビなどの汚れを除去する
屋根材のすき間に詰まったホコリや苔、カビなどの汚れによって毛細管現象が発生している場合は、これらの汚れを除去する必要があります。
屋根材のすき間を塞ぐ汚れを取り除くことで、一定のすき間が生じるため、毛細管現象による雨漏りが改善されます。
まとめ
屋根の毛細管現象による雨漏りは、経験豊富な業者であれば比較的早期に発見できることがありますが、中には見逃されることも珍しくありません。
原因不明の雨漏りを放置してしまうと、建物内部への被害が広がるリスクが高まりますので、注意が必要です。
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