雨漏りによる健康被害にはどんなものがある?
2023/03/31
雨漏りと聞いてどんなイメージでしょうか。「シロアリが増える」「天井からポタポタ水が落ちてくる」「壁紙が浮いてきた・剝がれてきた」「天井にシミができた」など住宅にダメージを与える被害を想像すると思います。ですが雨漏りの被害は住宅だけではありません。雨漏りしている住宅に住んでいる人の健康にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、雨漏りによる健康被害はどんなものがあるのか紹介していきます。雨漏りがある場合は、「まだ大丈夫」と放置せずに修理するのをおすすめします。
健康被害とは?
雨漏りを放置すると湿度が高くなり、カビの繁殖が原因で健康被害が起こる可能性が高くなります。
では、雨漏りを放置するとどんな健康被害が起こるのでしょうか。
- アレルギー性鼻炎
- 夏型過敏性肺炎
- 気管支肺炎アスペルギルス症
- シックハウス症候群
- 水虫
- ストレス
それぞれの症状について解説していきます。
アレルギー性鼻炎
アレルゲンと呼ばれるアレルギーとなる原因物質が鼻の粘膜を刺激することによって「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目の痒み」「充血」「異物感」などの症状が出ることがあるアレルギー性鼻炎。雨漏りが原因のアレルゲンは、「カビの胞子と菌糸」「ダニの糞や死骸」などになり、特に3種類のカビが原因ではないかと言われています。
クラドスポリウム
黒カビの一種で、湿気がこもりやすい場所を好み、台所・トイレ・浴室などの水回りや結露が起こる窓や壁にも繁殖します。黒カビは、生活している中に浮遊している胞子の2割〜5割の割合を占めています。
毒性があるものではないので、カビ自体が人体に影響を及ぼすことはありません。ただカビの胞子を大量に吸い込むことでアレルギーを発症することがあります。
ペニシリン
古くなったパンや餅に発生する青カビです。チーズの製造や治療薬に使われたりと身近なカビですが、毒性が強い種類もあり、免疫が低下しているときに感染症が起こる可能性があります。湿気のこもりやすい靴箱・衣類・畳・押し入れなどに発生しやすいです。
アルテルナリア
結露が発生した壁や浴室・台所など湿度の高いところを好むスズカビ。スズカビは、他のカビよりも胞子が大きく鼻の中に長くとどまることで、アレルギー性鼻炎を引き起こします。
ダニの糞・死骸
ダニの糞や死骸を吸い込むことによってアレルギー性鼻炎を引き起こすことがあります。
ダニは、気温と湿度が上がる5月〜7月に大量に繁殖し、秋になるとダニの死骸や糞が乾燥して粉々になり、空気中に浮遊します。粉々になったダニの死骸や糞を呼吸をする時に体内に入り込みやすくなりアレルギーが引き起こされます。
また雨漏りによって大量に発生したカビは、ダニの好物のためダニも大量発生し嬉しくない相乗効果が働いてしまいます。室内でアレルギー性鼻炎の症状が酷くなる場合は、カビの胞子やダニが原因かもしれません。
夏型過敏性肺炎
高温多湿を好むトリコスポロンという6月〜9月くらいにかけて繁殖するカビが原因で発症します。症状は発熱・咳・呼吸困難と肺炎の症状と同じですが、特徴的なのは原因がある場所にいると症状が出たり・悪化することです。アレルギー性鼻炎との違いは、鼻水はでないけど喉がイガイガして咳が続く.階段を上がるとすぐに息切れするなど鼻水が出ないことが特徴です。
夏型過敏性肺炎は、病院へ行くと抗生物質などの点滴で症状がすぐに改善されますが、自宅に帰ってくるとまた症状が出てきます。それはカビによるアレルギー反応が原因のため原因のカビを何とかしないと症状を繰り返すことになります。
気管支肺炎アスペルギルス症炎
アスペルギルスは身近に存在している真菌のカビの一種で、普段は人に対しては病気にはならない菌ですが、免疫が低下している時や肺の持病を持っている人が菌を吸い込むとアレルギー反応が出て肺の感染症を引き起こします。
早めに治療をすれば薬で通常の喘息まで抑え込めますが、治療が遅れたり不十分の場合は、肺が線維化してしまい元の状態に戻ることは難しく、呼吸不全なり酸素療法など治療が長期化する場合もあります。
ダニによる身体の痒み
室内で人を刺すダニは、「イエダニ」と「ツメダニ」の2種類で高温多湿の環境を好みます。「ツメダニ」は小さな虫やカビを好み、「ツメダニ」はネズミや哺乳類の血液をエサにしています。ダニによる被害は、特に初夏〜秋にかけて集中しますが、雨漏りがある場合は、ダニの被害期間が長くなる可能性が高いです。
ダニに刺された部位は、炎症やしつこい痒みのしょうじょうが出ます。そのまま放置しておくと痒みが広範囲に広がり、色素沈着や肌が荒れる可能性があります。早くきれいに治すためには、ステロイドを使用した治療が必要です。
水虫
雨漏りが直接関係しているわけではありませんが、高温多湿の状況下になるので健康被害に繋がるので紹介します。
水虫の原因は、「白癬菌」と言われるカビの一種です。健康な人の足には80〜100種類のカビが常在していますが、この「白癬菌」は常在していません。
つまり水虫を発症している人からうつるということです。そして菌を付着したまま24時間以上、高温多湿の状況下に置かれると常在するリスク、つまり水虫になるリスクが高まります。
・シックハウス症候群
住宅の気密化により室内の汚染された空気を吸ってしまうことで体調不良が起こる症状です。
- 鼻水・涙・咳が出る
- 鼻やのどが渇き、痛みや刺激がある
- 疲れやすくなる
- 皮膚が乾燥・痒くなる・赤くなる
- 目が痛くなり、チカチカする。
- 吐き気・頭痛・めまい
建材や内装材に含まれる化学物質が放散することにより体調不良が起きると考えられ、原因となる化学物質は「ホルムアルデヒド(接着剤)」、「トルエン・キシレン(塗料の溶剤)」、「パラジクロロベンゼン(防虫剤)」などになります。さらに高温多湿になると揮発性も高くなり発散量が増加することによって健康被害へのリスクが高まります。
シックハウス症候群の治療方法はありません。有害物質を含んだ商品(カーテンや家具・内装材など)をなるべく選ばないようにしたり、高温多湿にならないようにこまめな換気を行いましょう。またシックハウス症候群は、健康への被害は人によって違い、同じ部屋にいても症状が全くない人も敏感に反応する人もいます。
ストレス
雨漏りがあると住んでいる人にかなりのストレスがかかります。「次に雨が降ったらどうしよう」「修理にどのくらいお金がかかるか心配」など雨が降った時に雨漏りが気になって出かけられない、寝られないなど精神的ダメージを受けてしまいます。
雨漏りのストレスによって動悸・息切れ・めまい・不眠・食欲不信など様々な症状を引き起こし、日々の生活に支障が起こる可能性があります。
健康被害が出る前に修繕しましょう
日本の気候は湿気が多くカビが繁殖しやすく、さらに雨漏りにより高温多湿でカビやダニの増殖が加速してしまい健康被害が大きくなってしまいます。また小さなお子様や高齢のお年寄りがいるご家庭では、カビやダニによるアレルギーを発症し本当に危険になってきます。
発生したカビへの対策は、高温多湿の環境状況を改善させないことには、慢性的な体調不良の健康被害を止めることはできません。そのためには雨漏りを発見した場合は、早めに修理を依頼しましょう。
エーストラストでは雨漏り診断士が在籍し、屋根の状態確認をしっかりと行った上で、雨漏り修理にあたります。大阪府で雨漏り修理をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。