雨漏りが起きやすいサッシ周りの修理方法と注意点
2025/12/09
「窓の下にうっすらシミがある」「サッシの枠からポタポタと水が…」
そんな雨漏りの兆候を見つけたら、すぐに原因を調査することが重要です。
サッシ周りは、建物の中でも雨水の侵入リスクが特に高い部分。放置してしまうと、壁内の木材や断熱材が腐食し、建物の耐久性や居住環境に大きな影響を与えてしまう可能性があります。
本記事では、雨漏りが発生しやすいサッシ周りの構造と原因、適切な修理方法、そして再発防止のために知っておくべき注意点まで、わかりやすく解説します。
目次
サッシ周りで雨漏りが起こる仕組みとは?

サッシは「雨水が溜まりやすい構造」
窓枠に設置されるアルミ製や樹脂製のサッシは、ガラスと外壁との間をつなぐ非常に重要な建材です。しかし、
・外壁との「取り合い部分」が複雑で隙間ができやすい
・雨水が当たりやすく、跳ね返りも含めて溜まりやすい
・コーキングや防水シートなどの防水部材に頼った構造である
といった理由から、施工不良や経年劣化によって水の侵入口ができやすい場所でもあります。
雨漏りの経路は多岐にわたる
サッシ周りの雨漏りは、単純に「窓から水が入った」のではなく、以下のような複合的な経路を辿って浸水することが多いです。
・外壁との隙間から雨水が侵入
・内部の防水シートや透湿防水シートを伝って壁内に流入
・さらにサッシ枠の下端やビス穴から、室内へ滲み出る
こうした「見えない経路」で雨水が入り込むため、表面に現れるのはほんの一部だけ。気づいたときには内部が腐食していることも珍しくありません。
サッシ周りの雨漏りで見られる症状とは?

以下のような症状が出ている場合は、サッシ周りからの雨漏りが起きているかもしれません。
・窓枠まわりのクロス(壁紙)が剥がれている
・サッシの内側に結露のような水滴がつく
・窓下の壁に茶色いシミやカビが発生している
・サッシの枠が変形・歪んでいる
・雨天時にポタポタと音がする
・サッシ下部の床が濡れている、木がふやけている
雨漏りは徐々に進行するケースが多く、長年かけて建材がダメージを受けることになります。少しでも異変を感じたら、専門業者による点検を受けましょう。
よくある雨漏りの原因【サッシ周り編】
雨漏りの発生場所として意外に多いのが、サッシ(窓枠)周辺です。特に築年数が経過した住宅や、リフォーム履歴のある家では、サッシ回りからの雨漏りが見られることが少なくありません。
ここでは、サッシ周りの雨漏りで特に多く見られる4つの原因を詳しく解説します。
【1】コーキングの劣化・ひび割れ
サッシと外壁の境目には、防水・気密のためのコーキング(シーリング)が施工されています。これは住宅外装の中でも、最も雨漏りリスクが高くなりやすいポイントのひとつです。
劣化が起こる仕組み
・紫外線や風雨に長年さらされることで、コーキング材が硬化して柔軟性を失う
・表面がひび割れたり、接着力が低下して外壁やサッシから剥がれる
・縮んでしまい、隙間が生じる
このような状態になると、外壁のわずかな隙間から雨水が浸入し、サッシ周辺の木材や断熱材、石膏ボードなどにダメージを与えます。
特に注意すべきポイント
・築10年以上で一度もシーリングの打ち替えをしていない
・外壁塗装だけを行い、シーリングは再施工されていない
・南向きや西向きなど、日差しや雨風を直に受ける面
こうした住宅では、目に見える劣化がなくても、内部で防水性能が低下していることが多く、定期的な点検が重要です。
【2】防水シート(透湿防水シート)の施工不良または破損
外壁の内部には、雨水の侵入を防ぐために「透湿防水シート(例:タイベック)」が施工されています。これは外壁材の裏側に張られ、壁内の防水層としての役割を担っています。
しかし、以下のような施工不良や経年劣化があると、雨水が室内に浸入するルートができてしまいます。
よくある施工不良・劣化例
・サッシ周囲で立ち上げ処理がされていない
・シートの重ね幅が足りない・接着が甘い
・サッシ開口部に適切な防水テープ処理がされていない
・経年劣化や外部衝撃による破断や穴開き
サッシ周囲は「雨が流れやすい箇所」なうえに、「開口部で防水層が切れる特殊部位」でもあります。そのため、防水シートの施工精度が雨漏りの有無を大きく左右します。
注意点
壁を開けない限りは確認できないため、リフォーム時や雨漏り調査時に発覚することが多いです。雨漏り修理の専門業者であれば、赤外線サーモグラフィーや散水調査によって、こうした隠れた原因も特定できます。
【3】ビス穴や釘穴からの浸水
サッシや面格子、シャッターなどの取り付け時に使用されるビス・釘の穴が、雨水の浸入口になるケースも少なくありません。
雨漏りの原因になる理由
・防水処理がされていないビス穴から、毛細管現象で雨水が侵入
・コーキングが施されていたとしても、経年で痩せたり剥がれたりする
・外壁のひび割れとビス穴が重なり、複合的な漏水経路ができる
特に、DIYで後から取り付けた面格子や防犯アイテムの取り付けビスからの雨漏りは見落とされがちです。
対策と注意点
・ビス止めの際は、専用の防水パッキンやコーキングで補強する
・窯業系サイディングの場合、下地(間柱)の位置を正確に把握する
・簡易的に済ませる工事や、リフォーム業者の施工品質に差がある部分
雨漏り修理のプロは、これらの「細かい穴」も見逃さずにチェックしてくれます。
【4】外壁材のひび割れや、サッシとの取り合い部の不具合
サッシと外壁が接する「取り合い部」は、住宅の中でも動きやすい(揺れやすい)箇所です。そのため、以下のような症状が現れやすくなります。
取り合い部で起きる典型的な劣化症状
・モルタルのヘアークラック(微細なひび割れ)
・サイディングのズレや反り
・雨水が溜まりやすい下枠部の浮きや破損
・地震や台風などの外的要因による微細なズレ
特に注意したいのは、見た目には大きな異常がないようでも、内部に雨水が回り込んで腐食が進行しているケースが多いことです。
原因を複合的に考える必要性
サッシ周りの雨漏りは、ひとつの原因ではなく、複数の要素が重なって起こることが多いのが特徴です。
例:
外壁のひび割れ+シーリング劣化+防水シート破断 など
このような状態では、部分的な補修ではなく、全体的な点検と多方面からのアプローチが必要になります。
サッシ周りの雨漏り修理方法

サッシ周辺からの雨漏りは、「表面的な補修」では改善しないケースも多いため、原因に応じた適切な修理方法を選ぶことが重要です。以下では、よく採用される3つの工法とその費用目安・工期について詳しく解説します。
【1】コーキング(シーリング)の打ち替え・打ち増し
もっとも基本的で頻度の高い修理方法が、コーキングの打ち替え(または打ち増し)です。
サッシ周辺の隙間には通常、シーリング材が充填されており、防水と気密の役割を果たしています。しかし、このシーリング材は年数とともに劣化し、硬化・収縮・ひび割れ・剥離といった症状が起こるため、定期的な補修が必要です。
施工方法の違い
打ち替え工法:既存の劣化したシーリングをすべて撤去し、新しく充填する方法。
打ち増し工法:既存のシーリングの上から追加で新しいシーリングを被せる簡易的な方法。ただし劣化が激しい場合は不向きです。
費用・工期の目安
費用相場: 5,000円〜15,000円(1ヶ所あたり)
工期: 半日〜1日程度(窓1ヶ所の場合)
軽度な雨漏りやシーリングの劣化が主因の場合は、この補修のみで雨漏りが解消することもあります。ただし、コーキングだけで済ませてしまうと再発の恐れもあるため、雨漏りの規模や他の要因も必ずチェックしてから施工しましょう。
【2】防水シートの部分補修・張り直し
サッシ周辺の雨漏りが「壁内部で発生している」場合、根本原因は透湿防水シート(タイベックなど)の破断・施工不良である可能性が高くなります。
このようなケースでは、外からの簡易補修では止まらず、外壁材を一部剥がして壁内部の防水層を補修する必要があります。
具体的な補修内容
・サイディングやモルタル外壁を一部撤去
・サッシ周囲の防水シートを立ち上げ直し・継ぎ直し
・接合部を専用の防水テープで確実に密閉
・外壁材を同質・同色で復旧
この工程では、高い施工技術と雨仕舞いに対する知識が求められるため、信頼できる専門業者への依頼が不可欠です。
費用・工期の目安
費用相場: 5万円〜20万円(被害範囲・外壁材の種類による)
工期: 約1〜3日程度(天候にも左右される)
防水シートまで補修するケースでは、雨漏りの再発リスクが大幅に低下し、中長期的な安心感を得られるのが大きなメリットです。
【3】窓サッシの交換・再取り付け
サッシ本体の変形や、建築時の施工ミス(防水処理不足・取付位置のズレ)などが原因で雨漏りが発生している場合、サッシ自体の交換または再施工が必要になります。
特に、築年数が20年以上経過した住宅では、アルミサッシのゆがみやパッキンの劣化、窓枠周辺の木材腐食が進行しているケースが多く見られます。
このようなケースでは交換が必要
・窓枠に明らかな傾き・ガタつきがある
・開閉時にスムーズに動かない・隙間風が入る
・何度補修しても、同じ場所から雨漏りが再発する
サッシを交換する際は、単に窓を取り替えるだけでなく、サッシ周辺の防水処理(防水シート・水切り・防水テープ等)を含めた再施工が不可欠です。ここが不完全だと、せっかくの交換も意味を成しません。
費用・工期の目安
費用相場: 10万円〜30万円(サッシの大きさ・仕様により変動)
工期: 約1〜2日(外壁や内装の補修を含む場合は+1日程度)
高額にはなりますが、雨漏りの再発リスクを確実に抑えることができ、断熱性・気密性の向上による住宅性能アップも期待できます。
雨漏りを再発させないための注意点

サッシ周りの雨漏りは、「一度直しても再発する」ことが少なくありません。その原因と、再発防止のためのポイントを見ていきましょう。
【1】「表面的な補修」で済ませない
コーキングの補修だけでは、根本的な雨水の侵入経路が塞げていない場合があります。部分補修だけで済ませると、壁内で再度水が回るリスクがあります。
信頼できる業者に、赤外線カメラや散水調査などで原因を特定してもらうことが大切です。
【2】外壁や屋根との「取り合い部」も点検する
雨漏りの水の侵入経路は複雑です。サッシ周りに水が出ていても、実際には「上の屋根」や「壁のひび割れ」から浸入しているケースも。
建物全体の水の流れを把握した上で修理することが不可欠です。
【3】定期的な点検とメンテナンスを怠らない
雨漏りの多くは、「見えない劣化」の放置から始まります。築10年以上経過した家では、
コーキングの打ち替え、外壁塗装のチェック、屋根や破風の点検など、5〜10年ごとのメンテナンスがおすすめです。
サッシ周りの雨漏りは専門業者への依頼が確実
雨漏りの修理は、ただ水を止めるだけではなく、原因を特定し、再発を防ぐための構造理解と施工力が求められます。
とくにサッシ周辺のような「壁内の見えない部分」が絡むケースでは、
・適切な調査機器(散水テスト・赤外線カメラ)
・経験豊富な施工技術
・長期保証やアフター対応
を持つ信頼できる業者に依頼することが、雨漏りトラブルを根本から解決するカギになります。
まとめ
サッシ周りからの雨漏りは、お住まいの寿命に直結する大切な問題です。壁のシミや湿った感じに気づいたら、まずは原因をしっかり調べることが大事です。そして、正確に原因を特定して適切な修理を行い、さらに再発防止の対策も忘れずに行いましょう。この一連の流れをきちんと踏むことで、雨漏りの繰り返しを防ぐことができます。
株式会社エーストラストは、大阪府内全域で屋根修理・外壁修理・雨漏り修理を専門とする業者です。サッシ周りの雨漏りについても豊富な対応実績があり、原因調査から修理、アフターサポートまで一貫してサポートいたします。点検・お見積りは無料で、雨漏り調査も専門スタッフが丁寧に対応し、安心の保証付き施工をご提供しています。少しでも雨漏りが気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。


