横暖ルーフとはどんな屋根材?特徴や注意点を解説
2023/01/17
屋根の葺き替え工事やカバー工法でのリフォームを検討していると、屋根材選びに悩む方は多くいるでしょう。近年では、ガルバリウム屋根の中でも断熱性能の高い『横暖ルーフ』の人気が高まっています。
横暖ルーフは、実際に弊社でも多く採用している評判の良い屋根材の一つです。なぜ横暖ルーフが選ばれているのか、その特徴や注意点を解説いたします。
屋根は一度施工を行うと、気軽に何度も交換することはできません。後悔しないためにも、屋根材の特徴や注意点をよく理解することは大切です。
「横暖ルーフって何がいいの?」「どんな屋根にも施工できるの?」と疑問をお持ちであれば、ぜひ参考にしてみてください。
横暖ルーフ(よこだんルーフ)とは?
横暖ルーフとは、ニチハ株式会社が製造・販売しているガルバリウム屋根材の1つです。
ニチハ株式会社は、外壁材のメーカーとしても有名ですが、金属製の外装材も広く取り扱っています。
2003年から製造・販売されている横暖ルーフは、メーカーも商品も歴史が長く信頼できる製品です。
横暖ルーフが他のガルバリウム屋根と大きく異なる点は、屋根材と断熱材が一体型になっているところ。
商品ラインアップは全部で4種類あり、それぞれ鋼板の種類や塗膜に違いがあります。
横暖ルーフは全部で4種類
横暖ルーフは、以下の4種類の商品が販売されています。
- ・横暖ルーフS
- ・横暖ルーフαS
- ・横暖ルーフ プレミアムS
- ・横暖ルーフα プレミアムS
それぞれの性能を確認してみましょう。
横暖ルーフS
スタンダードなモデルですが、高耐食GLめっき鋼板を使用することで耐久性を高め、遮熱性能も備えています。
表面の塗装はポリエステル塗装で、屋根材の厚みは最大12mm。
ブラック、ブラウン、グリーンから選べる色味は、4商品全てに共通しています。
横暖ルーフαS
横暖ルーフαSは、横暖ルーフSよりも断熱性能が向上した商品です。
横暖ルーフSとの違いは、ジョイント部の構造、厚み、カラーバリエーション。
ジョイント部とは『屋根の接続部分』のことで、屋根の接続部分の隙間を小さくした構造を採用しています。
また、厚みは最大17mmで、横暖ルーフSよりも厚い商品です。
ジョイント部の隙間を小さくすることで気密性を高め、屋根材の厚みを増すことで断熱性能を向上させました。
価格は横暖ルーフSとほとんど変わらないため、コストパフォーマンスに優れた商品と言えるでしょう。
色味はブラック、ブラウン、グリーンに加え、4種類の中でも唯一『ギングロ』が選択可能です。
光の当たり具合で変化を楽しめる屋根に仕上がります。
横暖ルーフ プレミアムS
横暖ルーフのプレミアムシリーズは、屋根材表面にフッ素樹脂を塗装することで、耐久性をより高めた商品です。
傷がつきにくく高耐候で、塗膜変色や褪色保証が20年間ついています。
横暖ルーフSにフッ素樹脂塗装を取り入れたものが、横暖ルーフ プレミアムSです。
横暖ルーフ プレミアムSは、2022年に生産一時休止となっていた商品。
生産休止となった理由は、社会情勢の影響によりフッ素樹脂塗装鋼板が供給不足となったためです。
2022年12月にニチハ株式会社から公表された情報によると、2023年3月1日(水)から販売が再開される見通しが立っています。
横暖ルーフα プレミアムS
横暖ルーフαSにフッ素樹脂塗装を取り入れた商品で、横暖ルーフの中で最もグレードの高い商品です。
横暖ルーフ プレミアムSと同様に生産一時休止となり、2023年1月現在、製造再開の見通しは立っていません。
横暖ルーフの特徴と選ばれる理由は?
横暖ルーフは商品によって性能に差がありますが、主に以下の特徴があります。
- ・高耐久
- ・遮熱性能
- ・高断熱
- ・軽量
- ・長期保証あり
高耐久であることから、メンテナンスが簡単。
さらに、遮熱や断熱性能にも優れ、省エネにも役立つでしょう。
性能の高さと、長期保証がついていることから選ばれています。
高耐久
横暖ルーフS、横暖ルーフαSでは、高耐食性のめっき鋼板を採用。
トタン板に比べ、3〜6倍の耐久性を持ちます。
プレミアムシリーズでは、ガルバリウム鋼板をさらに改良した、SGL鋼板を採用。
マグネシウムを加えることで防錆効果を高めています。
環境によって異なりますが、40〜50年ほどの耐久性も見込めます。
遮熱性能
遮熱性能があるため、夏場の暑さ対策に有効です。
太陽光を反射することで熱の吸収を抑え、屋根自体の温度上昇が抑えられます。
高断熱
横暖ルーフに遮熱性能があるとはいえ、太陽からの熱を全て反射することは難しく、断熱性能は暑さ対策に必要です。
冬場、住宅内のあたためさが外へ逃げていくのを防ぐ役割も期待できます。
軽量
横暖ルーフの重量は、瓦屋根の約10分の1、スレート屋根の約4分の1です。
建物上部にあたる屋根が軽くなることで、地震の際の揺れが少なくなり耐震性の向上につながります。
長期保証あり
耐久性、耐候性に優れた品質のため、長期保証を実現しています。
保証内容は、以下の通りです。
保証期間 | 横暖ルーフS
横暖ルーフαS |
横暖ルーフ プレミアムS
横暖ルーフα プレミアムS |
塗膜 | 15年 | 20年 |
赤さび | 20年 | 20年 |
穴あき | 25年 | 25年 |
変色・褐色 | なし | 20年 |
なお、保証対象者は業者となり、申請手続きが必要です。
不明点があれば、施工業者またはニチハ株式会社の最寄りの営業所へ問い合わせてみましょう。
横暖ルーフの注意点は?
メリットの多い横暖ルーフですが、注意点もあります。
- ・単価が高い
- ・屋根に2.5寸以上の勾配が必要
単価が高い
性能が良い屋根材であるからこそ、導入費用は比較的高くなります。
ただし、長期的な視点からみると、メンテナンス費用があまりかからないためコストパフォーマンスに優れています。
屋根に2.5寸以上の勾配が必要
屋根の勾配には制限があります。
「家の屋根の勾配がわからない」場合には、屋根修理業者に相談の上、現地確認してもらうことをおすすめします。
横暖ルーフとスーパーガルテクトとの違い
断熱材一体型のSGL鋼板を利用した屋根材は、横暖ルーフだけではありません。
アイジー工業から販売されている『スーパーガルテクト』も、性能が似た商品として比較検討されています。
横暖ルーフとスーパーガルテクトの違いは以下の通りです。
- ・色や意匠性
- ・塗膜の硬さ
- ・施工地域
色や意匠性
横暖ルーフは、基本的にブラック、ブラウン、グリーンから色を選びます。
意匠性については、立体感のある段葺き形状が特徴です。
スーパーガルテクトは、『ブルー』や『ワインレッド』などの色味が選択でき、意匠面では表面のちぢみ塗装によって質感を高めています。
塗膜の硬さ
塗膜はスーパーガルテクトの方が硬く、傷に強い特性があります。
ただし、硬ければひび割れしやすいため、一概に硬ければ良いわけではありません。
施工地域
スーパーガルテクトは積雪の多い、最深積雪量平均が30cm以上の地域では施工が推奨されていません。
横暖ルーフは、積雪地域では『すがもれ』対策をした上で施工が可能とされています。
スーパーガルテクトについては、こちらの記事もご参照ください。
横暖ルーフは太陽光パネルの設置可能
穴をあけることなく太陽光発電を設置する工法で、太陽光パネルの設置ができます。
金属屋根を掴みこむように固定することで穴をあけず、雨漏りの心配がなく安心です。
施工知識のある屋根修理業者に依頼を行いましょう。
まとめ
断熱材が一体となった、ガルバリウム屋根の横暖ルーフ。
エーストラストでも、多くのお客様の屋根に施工いたしました。
大阪府で横暖ルーフでの葺き替え工事や、カバー工法をご検討中であれば、ぜひ施工実績のある弊社へお任せください。