屋根塗装と屋根葺き替え、どっちがコスパ良い?メリット・デメリット比較
2025/08/27
「屋根のメンテナンスをしたいけど、塗装と葺き替え、どっちがいいの?」
そんな疑問を抱えている方は少なくありません。
屋根は建物を風雨や紫外線から守る重要な存在であり、そのメンテナンス方法を間違えると、将来的なコストや住まいの快適性に大きな差が出てきます。
この記事では、大阪の屋根修理専門業者・株式会社エーストラストが、屋根塗装と屋根葺き替えの違いやコストパフォーマンスの観点での比較を詳しく解説します。後悔のない選択をするために、ぜひ最後までご覧ください。
屋根塗装と屋根葺き替えはどう違う?
屋根のメンテナンスにはさまざまな方法がありますが、特に代表的なのが「屋根塗装」と「屋根葺き替え」の2つです。どちらも屋根の寿命を延ばし、住宅を守るための重要な手段ですが、その目的や施工内容、費用、耐用年数などは大きく異なります。
それぞれの違いをしっかり理解しておくことで、自分の家にはどちらが適しているのかを判断しやすくなります。
屋根塗装とは?
屋根塗装とは、既存の屋根材の上に新たに塗料を塗り重ねることで、屋根の表面を保護・美装する工事です。主に以下のような役割があります。
屋根材の表面保護
紫外線・雨・風といった自然環境から屋根材を守り、劣化を抑えます。
美観の回復
色あせや汚れた屋根を塗り直すことで、新築時のような外観に近づけることができます。
防水性・遮熱性の向上
使用する塗料によっては、雨水の侵入を防ぐ機能や、太陽熱を反射する機能を付加できます。
特に、スレート(コロニアル)屋根や金属屋根(トタン・ガルバリウムなど)に多く採用されるメンテナンス手法で、屋根材や下地に大きな問題がない場合の延命処置として有効です。
塗装は、屋根全体を“交換”するのではなく、あくまで“保護膜を強化する”工事であるため、屋根材自体のひび割れや反りが深刻な場合には適していません。あくまで「まだ使える屋根を長持ちさせるための手段」として考えましょう。
屋根葺き替えとは?
一方、屋根葺き替えは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に完全に交換する大掛かりな工事です。加えて、屋根材の下にある防水シート(ルーフィング)や野地板といった下地部分も併せて新しくするため、屋根全体が“新品同様”にリフレッシュされます。
この工法は、以下のようなメリットがあります。
雨漏りの根本的な解決ができる
屋根の下地まで点検・補修できるので、見えない部分の傷みも直せて、雨漏りが再発する心配が少なくなります。
住まいの性能アップにつながる
たとえば重い瓦屋根から軽い金属屋根に変えることで、地震に強くなったり、家の中が暑くなりにくくなったりする効果も期待できます。
長く安心して使える
選ぶ屋根材によりますが、30年から50年ほど、長期間メンテナンスの心配が少なくなります。
ただし、塗装と比べて費用は2〜3倍ほど高額になりやすく、工期も10日前後と長めになる点には注意が必要です。また、既存屋根の撤去作業には騒音や廃材処分も伴うため、施工中の近隣への配慮も大切になります。
屋根塗装が「屋根を守るための表面的なメンテナンス」だとすれば、屋根葺き替えは「屋根を根本から作り替えるリノベーション」と言えるでしょう。
どちらがより良い選択肢となるかは、建物の築年数・屋根材の状態・予算・今後の住まい方などを踏まえて総合的に判断する必要があります。
それぞれの費用相場を比較|屋根塗装と葺き替えでいくら違う?
屋根のメンテナンスを検討するうえで、もっとも気になるのが「費用面」ではないでしょうか。ここでは、30坪(約100㎡)程度の一般的な住宅を想定した場合の屋根塗装と屋根葺き替えの費用相場を比較してみましょう。
【屋根塗装の費用相場(30坪住宅の場合)】
屋根塗装は、「屋根材の表面のみを保護・再塗装する工事」です。そのため撤去作業や新規屋根材の導入がなく、比較的費用を抑えやすいのが特徴です。
項目 | 費用目安 |
---|---|
足場設置 | 約15万円〜 |
高圧洗浄・下地処理 | 約3万円〜 |
塗装(3回塗り) | 約30〜50万円 |
合計 | 約50〜80万円前後 |
※使用する塗料のグレードによって金額は変動します。
塗料の種類には、ウレタン・シリコン・ラジカル・フッ素・無機塗料などがあり、一般的にはシリコンが標準的なグレードとして選ばれています。長持ちさせたい場合は、耐用年数の長いフッ素や無機塗料を選ぶことで、再塗装のサイクルを伸ばすことも可能です。
【屋根葺き替えの費用相場(30坪住宅の場合)】
一方の屋根葺き替えは、既存屋根材の撤去から防水シート・野地板の張替え、新しい屋根材の施工までを含む大規模なリフォーム工事となります。その分、費用も大きくなりますが、屋根全体を新築同様に刷新できるという点で、将来のメンテナンス費を抑えられるというメリットも。
項目 | 費用目安 |
---|---|
足場設置 | 約15万円〜 |
既存屋根の撤去・処分費 | 約20〜30万円 |
野地板・防水シート交換 | 約10〜20万円 |
新しい屋根材の施工 | 約50〜100万円(材質による) |
合計 | 約100〜150万円前後 |
選ぶ屋根材(例:ガルバリウム鋼板、スレート、陶器瓦など)によって費用が大きく変わるため、希望する耐久性やデザイン性、断熱性などに応じて適切な素材を選ぶことが重要です。
耐用年数・メンテナンス頻度で比較
工事の費用が分かったところで、次に比較すべきは「どのくらい持つのか」という耐用年数とメンテナンスの手間・費用です。以下の表で、両者の違いを見てみましょう。
項目 | 屋根塗装 | 屋根葺き替え |
---|---|---|
耐用年数 | 約8〜15年(塗料による) | 約30〜50年(屋根材による) |
メンテナンス頻度 | 約10年ごとに再塗装が必要 | 基本的に不要(点検は推奨) |
費用サイクル | 約10〜15年ごとに数十万円 | 一度の高額出費で長持ち |
塗装の場合は、10〜15年ごとに再塗装が必要となるため、30年間住むなら2回の塗装費が必要となる可能性があります。たとえば、1回あたりの塗装費が70万円とすると、トータルで140万円以上かかる計算に。
対して、葺き替えは初期費用こそ高いものの、その後のメンテナンス頻度は大きく低下します。30年〜50年スパンで見れば、むしろコストパフォーマンスが高くなるケースも多いのです。
「安さ重視」だけでは失敗する可能性も
「とにかく費用を安く済ませたい」と思って塗装を選んだ場合でも、実際には塗装では補えないレベルの劣化があると、数年で雨漏りなどの問題が再発し、結果的に早めの葺き替えを余儀なくされることもあります。
そのため、まずは専門業者による屋根点検を受けて、現状の屋根の状態を正確に把握することが何より大切です。
屋根塗装のメリット・デメリット
屋根塗装は、既存の屋根材を交換せず、表面に塗料を塗り重ねて保護機能や美観を回復させる工事です。比較的手軽であり、一定の効果が期待できますが、すべてのケースに万能というわけではありません。
メリット
工期が短い(通常1週間前後)
工事の内容が「塗るだけ」なので、葺き替え工事のように大規模な撤去や構造補修が不要なぶん、スピーディーに完了します。天候にもよりますが、約5〜7日ほどで終わるケースが一般的です。
費用が抑えられる
屋根材や下地をすべて交換する葺き替えに比べて、材料費や人件費が抑えられるため、費用は約1/3〜1/2程度に収まることも。予算に限りがある方にも選ばれやすい工法です。
遮熱・断熱機能の追加が可能
近年では、遮熱・断熱性能を持つ高機能塗料も多く出回っており、塗装によって夏の室内温度上昇を抑え、光熱費の節約にもつながるケースがあります。
屋根の美観がよみがえる
色あせやコケ・藻で汚れていた屋根も、塗装によって新築のような見た目に近づけることが可能です。外壁塗装と合わせて行えば、家全体の印象が大きく変わります。
デメリット
下地が劣化していると効果が薄い
塗装はあくまで「表面の保護」。下地の野地板や防水層が傷んでいる場合、それを修復することはできません。見た目だけ整えても、雨漏りが再発するリスクが残ります。
塗料の種類により耐久性に差がある
一般的なシリコン塗料であれば10年前後、高性能なフッ素や無機塗料であっても15〜20年が目安です。選ぶ塗料によって費用も耐久年数も大きく異なるため、慎重な選定が必要です。
根本的な改善にはならないことも
屋根材そのものの寿命が近い場合、塗装は一時的な延命にしかなりません。塗った直後は見た目がきれいでも、数年で再度不具合が発生することもあり得ます。
→ 屋根塗装は「まだ使える屋根材を、より長く使うための予防的メンテナンス」として効果を発揮する工法です。
屋根葺き替えのメリット・デメリット
屋根葺き替えは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材と下地に入れ替えるフルリフォーム工事です。規模は大きいものの、その分得られる安心感や効果も絶大です。
メリット
雨漏りの根本解決が可能
塗装では対応しきれない下地部分の劣化や構造不良もすべてリセットできるため、長年悩んできた雨漏り問題を根本から解決できます。
屋根材を自由に選べる
和瓦から軽量なガルバリウム鋼板へ、スレートから高耐久の金属屋根へなど、素材・デザイン・機能性を一新することが可能。住宅の外観を変えたい方にもおすすめです。
防災性・耐久性の向上
古い屋根材よりも、現代の屋根材は耐震性・防水性・耐風性・断熱性に優れたものが多く、葺き替えによって住宅の防災性能が大幅に向上します。
屋根全体が“新築同様”に生まれ変わる
葺き替えは、外観だけでなく構造そのものが新しくなる工事です。住宅の資産価値を高めたい、長く快適に住み続けたいという方には最も信頼性の高い選択肢となります。
デメリット
費用が高い
屋根材の撤去費用・処分費・新規材料費・工賃がすべて発生するため、塗装の2〜3倍の費用がかかることも珍しくありません。費用相場としては100〜250万円程度です(屋根面積・屋根材により大きく変動)。
「葺き替え工事をしたいけど費用がきになる…」という方は、費用を抑えながらリフォームができるカバー工法での屋根リフォームもぜひご検討ください。
工期が長く、騒音も発生
解体・撤去・下地施工など工程が多いため、通常10〜14日程度かかります。また、作業中は足場の設置や機械音・工具音などが出るため、近隣への配慮も必要です。
天候の影響を受けやすい
雨天時は防水処理ができないため、工期が延びるリスクがあるのも葺き替えの注意点です。天候の安定する時期に計画するのが望ましいでしょう。
→ 屋根葺き替えは「劣化が進行した屋根を、安全に・長く使うための最終手段」といえます。
どんなケースならどちらを選ぶべき?
屋根の状態や住宅の築年数、これまでの修繕歴、今後の住まい方などによって、どちらが最適かは大きく変わってきます。
屋根塗装が向いているケース
・築10〜20年以内で、屋根材の劣化が表面にとどまっている
・目立った雨漏りが起きていない
・金属屋根やスレート屋根で塗膜が色あせてきた
・予算をできるだけ抑えたい
・今後10年以内に建て替えや売却の予定がある
→ 「今の屋根をあと10年程度は使いたい」という方に最適です。
屋根葺き替えが向いているケース
・築20年以上が経過しており、下地の劣化が進行している
・雨漏りを何度か経験しており、再発の不安がある
・過去に塗装を複数回行っていて、効果が持続しない
・瓦屋根から軽い屋根材に変更して耐震性を上げたい
・今後も20〜30年は同じ家に住み続ける予定がある
→ 「将来的な安心感と高いコスパを重視したい」方には葺き替えが最適です。
まとめ
屋根塗装と屋根葺き替えは、どちらも一長一短があります。
大切なのは、ご自宅の屋根の状態をしっかり確認した上で、最適な方法を選ぶことです。
株式会社エーストラストでは、長年の経験を持つ職人が丁寧に屋根を診断し、お客様のご要望や予算に合った最適なプランをご提案しています。「まずは屋根の状態を知りたい」という方も大歓迎で、点検・調査報告書・お見積りは無料です。大阪市を中心に地域密着で素早く対応していますので、大切なお住まいを長く守るために、どうぞお気軽にご相談ください。