屋根修理に火災保険は活用できる?
2023/01/12
台風などの災害にも火災保険は適用でき、屋根修理に活用することが可能です。
ただし、大規模な災害が起きた後には、火災保険を利用した『保険金目当ての悪徳業者』によるトラブルが発生しやすいため注意が必要です。
被害にあわないためにも、正しく火災保険を申請できるよう、屋根修理における適用条件や申請方法を理解しましょう。
屋根修理をすすめる、保険金目当ての悪徳業者による被害事例もご紹介しています。
ぜひ参考にして、火災保険のトラブルに巻き込まれないよう気をつけてくださいね。
火災保険で屋根修理が申請できる
火災保険が適用となる災害は、火災だけではありません。
契約している保険によって適用範囲は異なりますが、主に以下の災害にも適用できます。
・風災
・ひょう災
・雪災
・落雷
具体的には、風災は台風や竜巻、雪災は大雪や雪解け水が対象です。
地震に関しては『地震保険』の保証範囲となるため、火災保険ではカバーできません。
近年では、保証内容を自分で選ぶことで、火災保険料のコストダウンを図る保険も存在します。
必ず上記の内容が適用できるとは限りませんので、申請する際にはご自身の火災保険の契約内容をきちんと確かめましょう。
屋根修理で申請できる保険適用例
火災保険が申請できる、屋根のトラブル事例は以下の内容が挙げられます。
- 屋根材の剥がれ
- 瓦の崩れ棟板金の飛散
- 雨樋や庇、シャッターの破損
外壁の剥がれや破損、カーポートなどの外構部分の被害にも適用可能です。
合わせて申請できると修理がスムーズに進むでしょう。
被害箇所の修理の前に施した応急処置や、見積作成代金など、修理に必要な作業も補償の対象となります。
屋根修理が火災保険で全額まかなえないケース
災害によって屋根修理が必要となった時、必ずしも火災保険が適用できるわけではありません。
また、火災保険が適用できたとしても、全額保証とならない場合もあります。
屋根修理の際に、火災保険で全額まかなえないケースは以下の通りです。
・経年劣化による被害
・原状回復以上の工事
・修理費用が免責金額に満たない
・被災から3年以上経過
それぞれの内容をご説明いたします。
経年劣化による被害
たとえ災害が起きた後に屋根の不具合を見つけても、現地確認によって『経年劣化による被害』と認められた場合には、屋根修理に火災保険が適用できません。
施工不良があれば、保険会社ではなく施工業者へ問い合わせの上、保証されるか確認しましょう。
原状回復以上の工事
火災保険による補償は、あくまで『原状回復』ができるように行なわれるもの。
既存の性能を上回るような工事の場合、自己負担で行う必要があります。
例えば、「スレート屋根が一部破損したから、これを機に全体をガルバリウム屋根に変えたい」という場合には、自己負担です。
火災保険でまかなわれるのは、破損したスレート屋根の一部分に対してのみ。
原状回復が基本となるので、葺き替えなど屋根材の新調については、ご自身で計画的に行いましょう。
修理費用が免責金額に満たない
免責金額とは、一定の金額までは被害があっても自己負担とするよう定められた金額のこと。
最近では0円から20万円の範囲で、指定の金額から選択できるケースが一般的です。
免責金額が大きいほど自己負担額は大きくなりますが、保険料は安くなります。
免責金額の設定には以下の2つの方式が採用されています。
・フランチャイズ方式
・免責方式
フランチャイズ方式は、免責金額までは全額自己負担。ただし、免責金額を超えれば全ての金額が補償され自己負担は0になります。
一方で免責方式では、免責金額を超えた分だけ補償され、自己負担が0になることはありません。
被災から3年以上経過している
火災保険の申請および請求期限は3年です。
これは火災保険だけでなく、保険法で定められたルールで、生命保険や損害保険にも適用されています。
被害の発生日から3年が経過すると保険金の請求権は消滅し、保険金が受け取れなくなるので注意しましょう。
ただし、例外も存在します。
東日本大震災が発生した際には、特例措置が取られました。
被害が甚大で、復興に長い年月が必要であったため、3年以上経過した後にも保険金を受け取れるよう図られたのです。
万が一大規模災害が発生した場合には、ご自身の生活基盤を安定させることに専念しましょう。
屋根修理に火災保険を使う時の申請方法
屋根修理に火災保険を利用する場合、申請は以下の流れで行います。
- 火災保険申請の書類を保険会社から入手する
- 屋根修理の見積を業者に依頼する
- 屋根修理業者から『修理見積書』と『被災個所の写真』を受け取る
- 保険申請
(必要な場合、保険鑑定を受ける) - 保険金が決定し入金される
- 工事会社と工事契約
災害時は保険会社への問い合わせが集中するため、被害があれば早めに必要な資料を請求しましょう。
屋根修理に火災保険申請に必要な書類は3つ
火災保険の申請に必要な書類は以下の3点です。
・保険金請求書
・修理見積書
・被災個所の写真
この他『事故状況説明書』が必要とされる保険会社もあります。
事故状況説明書は保険金請求書同様、ご自身で記入して提出する書類です。屋根の被災箇所を記入する書類となります。
保険金請求書は保険会社または契約時の代理店から、 修理見積書と被災個所の写真は屋根修理業者から取得しましょう。
屋根修理の火災保険を使ったトラブルに注意
火災保険を使った屋根修理の手続きは、一見手間がかかるように見えるため「代行してくれるなら依頼したい」という要望を持つ人は少なくありません。
代行してくれるからと言って『申請代行業者』に安易に任せると、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
・火災保険金が受け取れず、屋根修理代金が自己負担になる
・解約を希望すると、高額なキャンセル料を要求される
・詐欺行為に当たる、不適当な申請を押し付けられる
上記のようなトラブルを避けるためにも、依頼先が信頼できる業者であるかどうか判断することが大切です。
火災保険を使って屋根修理を行う際には、保険手続きは代行業者に一任せず、ご自身が主体となって勧めましょう。
不明点があれば、保険会社や知識のある屋根修理業者に質問することで、サポートが受けられます。
火災保険の申請代行業者、屋根修理の訪問販売に注意
通常の屋根修理業者であれば、「手続きを手伝ったから」といって保険金を要求することはありません。
しかし、火災保険の申請代行業者は、手続きを代行することで保険金の何割かを取り分として要求します。
ご自身での手続きが難しいと感じたら、代行業者ではなく、信頼できる屋根修理業者や保険会社へ相談することをおすすめします。
また、もしも訪問販売によるトラブルが発生すれば、『クーリングオフ』制度を活用するとよいでしょう。
契約してから8日以内であれば、キャンセルすることが可能です。
屋根修理の訪問販売については、こちらの記事をご参照ください。
【関連記事】
屋根修理の訪問販売業者にご注意を!お勧めしない理由を解説
まとめ
大阪府でも平成30年に発生した台風21号により、約2820件の住宅に被害が起きました。
火災保険が必要となる屋根修理が必要な被害は、戸建て住宅を所有していれば誰にでも起こりうるものです。
特に、大きな被害が出た災害の後には、悪徳な火災保険の代行業者や屋根修理業者の訪問が起こりやすいので注意してください。
エーストラストでは、火災保険申請のご質問も受け付けています。
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