屋根にカビや苔が生える原因は?対処法や予防策もご紹介
2023/06/05
屋根にカビや苔が生えるケースは珍しくありません。
日当たりの良い屋根でも、太陽光に影響されない種類の苔もあるので、屋根の変色で異変に気づくことも……。
屋根にカビや苔が生える原因や、対処法、予防策などを詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
屋根にカビや苔が生える原因
カビと苔は種類が異なるものの、どちらも胞子で増殖します。
胞子はとても軽いので、少し風が吹いただけで遥か上空まで飛ばされることも。どこかからか飛んできた胞子が屋根に着地して、そこの環境が繁殖に適していたら、そのまま定着していくでしょう。
冬になるとカビや苔は枯れますが、まだ油断してはいけません。残っている胞子は、あたたかい時期に雨が降ると復活します。つまり一度生えたら自然には改善せず、むしろ悪化する一方なのでご注意ください。
特に水分がある場所は、カビや苔の格好の繁殖場です。「雨漏りはしていないから屋根に水分はないのでは?」と感じるかもしれませんが、表面の塗膜が劣化してくると、どうしても水切れが悪くなります。水分をはじくどころか吸収するので、定期的なメンテナンスで屋根の機能性を保ちましょう。
カビや苔が生えやすい屋根材
カビや苔は、屋根材によって発生率が変わります。
屋根が変色していると不衛生な印象を与えかねないので、リフォームの際は「カビや苔の生えにくい屋根材」を中心に検討するのも良いでしょう。
カビが生えやすい屋根材
「薄暗い場所はカビる」と考える方は少なくありません。しかし実際のところ、カビは明るいところでも繁殖します。
スレート屋根、コンクリート瓦、セメント瓦などに生えている苔がカビることもあるので「薄く変色している部分がさらに灰色に広がっている」というように二重に変色しているようなら、カビを疑って良いでしょう。カビだけが広がることもありますが、苔は栄養源になるので苔があるとさらに繁殖力が高くなります。
特に、軒天や木材など水分が長く留まる場所はご注意ください。
苔が生えやすい屋根材
苔は、特にスレート屋根での発生率が高めです。コロニアルやカラーベストでは、ほとんどの屋根に見られると言って良いでしょう。
築年数が経過しているほど、さらに発生率が高くなるのでご注意ください。
他にも、コンクリート瓦やセメント瓦、粘土瓦でも見られることがあります。
なお、日の当たり方によって、生える苔の種類が変わってきます。
屋根にカビや苔が生えた場合の対処法
いくら屋根とは言っても、カビや苔が生えた住宅に住みたくないですよね。
見た目も汚くなるので、ご近所からの視線も気になるでしょう。
カビや苔は、ブラシでこすったり専用の洗剤で落としたりできます。
ただ屋根は高い場所にあるので、ご自身で掃除するのは大変危険です。ベランダから手の届く範囲だけをきれいにしようとしても、腕を上に伸ばして作業するため、洗剤が垂れて手肌が荒れることも。
家庭用のスチームクリーナーならある程度きれいになるかもしれませんが、高温は屋根の塗膜に悪影響を与えます。屋根の状態によっては、下地まで水蒸気が到達して湿気の原因をつくることもあるので、建材への影響を考えても避けたほうが良いでしょう。
もっとも安全で確実なのは、業者に依頼することです。足場を組まなければ上れない場所でも、プロの目で確認して丁寧に清掃してくれますよ。
業者が処置する場合、「洗浄」⇒「塗装」の2工程を辿るのが一般的です。
洗浄
「高圧洗浄」「バイオ洗浄」の2種類があります。
高圧洗浄は比較的リーズナブルな方法で、水を勢いよく噴射してきれいにします。
バイオ洗浄は多少費用がかかるものの、屋根への負担は最小限です。軽く高圧洗浄してから、バイオ洗浄液(植物由来成分)を噴射。ある程度待ってから、再び高圧洗浄で流して完了です。細かなカビや苔まで根絶したい方はもちろん、再発に悩む方にもおすすめの方法です。
塗装
今は、屋根用の塗料のほとんどに「防カビ・防苔」などと記載されています。JIS規格でも合格したものばかりが流通しているので、ひとつに絞るのはなかなか難しいですよね。
防カビ・防苔効果のある塗料で特におすすめなのは、無機系やフッ素系の遮熱塗料。遮熱塗料は、日光を反射するために汚れにくいのが特徴です。汚れを栄養源にするカビは繁殖しにくくなり、同時に苔の付着抑制も期待できそうです。
屋根にカビや苔を生やさないための予防策
屋根にカビや苔が生えると、不衛生ですし見た目も悪くなります。
湿気や日当たりはなかなかコントロールしにくい部分ですが、できるだけ発生リスクを抑えるために、日ごろからできることを4つ紹介します。
風通しを考える
カビや苔は、風通しが悪く、じめじめした場所を好みます。
カビや苔が生えている部分をよく観察してみてください。生い茂った樹木など風通しを邪魔しているものはありませんか?
剪定したり移動したりするだけで、かなりの効果が期待できそうです。
業者にメンテナンスを依頼する
先にお伝えした通り、屋根にカビや苔が生える場合、塗膜の劣化が考えられます。
屋根は定期的にメンテナンスしないと、本来の防水性を十分に発揮できません。業者と相談しながら、屋根材に合ったスパンで適切にメンテナンスしてください。
屋根材を金属屋根にリフォームする
スレート屋根には、かなりの確率でカビや苔が発生します。
ちょうどリフォームを検討されているなら、カビや苔の生えにくい金属屋根に変更してはいかがでしょうか?
金属屋根の表面は、平坦でつるつるしています。カビや苔は凹凸の部分に溜まりやすいので、表面の形状を変化させれば発生リスクも減少するでしょう。金属屋根は防水性も高いので、雨漏りのリスクも少ないですよ。
カビや苔の目立たない色にリフォームする
カビや苔は適切にメンテナンスすればかなり抑制できますが、少しの発生でも気分が良くないもの。
グリーンやブラウンなどの屋根色にすれば、カビや苔が発生しても目立ちにくくなるでしょう。ただ放置すると増殖するので、気づいたら早めに業者へ相談してくださいね。
屋根にカビや苔が生えやすい住宅の特徴
予防策を講じれば、カビや苔はある程度防げます。
しかし、それでも発生に悩まされるなら、住宅環境そのものに問題があるのかもしれません。
3つ、カビや苔が生えやすい家の特徴を紹介します。
業者と相談しながら適切にメンテナンスすれば、きれいな外観を長くキープできるでしょう。
屋根の日当たりが良くない
日当たりの悪い場所は、雨が乾きにくいため、カビや苔が繁殖しやすくなります
近くに川や水路がある
付近一帯の湿気が多くなるので、カビや苔が繁殖しやすくなります
近くに森がある
苔の胞子がたくさん飛んでいます。飛んできた胞子が付着するので苔が発生しやすくなるでしょう。また日当たりが良くないと、苔にカビが生えることもあります
まとめ
屋根にカビや苔が生える原因はさまざまです。
きれいにしていてもどこかから胞子が飛んできて付着するので、金属屋根に変えたり塗膜を塗り直したりして予防対策しましょう。
エーストラストには、カビや苔の清掃をはじめ、塗膜の塗り直しが得意な職人が多数在籍しています。
カビや苔のない美しい住宅で、快適な暮らしをキープしましょう。