安易なコーキング補修は雨漏り修理に逆効果!注意点と正しい修理方法を解説
2023/03/31
雨漏りの修理をネットで検索していくと「コーキング剤を使ってDIYで修理できる」「コーキング剤を使えば大丈夫」などサイトで紹介されていますが、安易なコーキング補修によって雨漏りが酷くなった、雨漏りが再発したと修理のご連絡をいただくケースが増えています。ではなぜ、コーキング剤で修理したのに雨漏りが酷くなったり再発したりするのか、それは誤ったコーキング剤の修理方法だったかもしれないからです。
この記事では、コーキング剤で補修する際の注意点と正しい修理方法を解説していきます。
コーキング剤とは?
コーキングとは「隙間を埋める」などの意味があり、気密性と防水性の向上を目指して外壁や浴室などの水回りの建築現場やリフォームでも使われる必須アイテムです。また用途によって適切なコーキング剤の種類を選ばないとコーキングした意味がなくなってしまいます。
種類と用途
シリコンコーク
コーキング剤で最もメジャーで価格も非常に安く、手軽に購入することができます。また水や火に強く、耐久性・耐候性にも優れていて、硬化後は縮まず弾力性があるので屋内外の様々な場所で使用することができます。
商品によっては、「カビに強い」「寒さに強い」など付加価値をつけた商品も販売されています。ただシリコンコークのデメリットは、シリコンコークの上に塗装が塗れないことのため、後から塗装をしなければいけない場所には使用できません。
使用用途としては、ガラス・アルミサッシ・浴室のタイルのつなぎ目に使われます。
変成(変性)シリコン
変成(変性)シリコンは、コーキング剤の上から塗装で塗ることもでき、カラーバリエーションも豊富で十分な耐久性があります。浴室やトイレなどの水回りでシールのように使うことも可能です。
優秀なコーキング剤ですが、他のコーキング剤に比べて値段が高く、密着性・耐久性も性能が落ちるのがデメリットです。
使用用途としては、コンクリートのひび割れ修理、鉄を繋ぐ時に使われる。屋内・屋外関係なく使えます。
ウレタンコーク
ウレタンコークは、外壁の塗り替えにも使われることが多く、耐久性が高いため、コンクリートのひび割れの修繕にも使われます。また紫外線に弱いため屋外や日光が当たる場所に使用する場合は、ウレタンコークの上に塗装する必要があります。
アクリルコーク
アクリルコークは、湿った場所に使用することができ、水性系のため作業がしやすいコーキング剤です。ただ耐久性が低く、硬化した時に縮みやすいのがデメリットです。屋外では、他のコーキング剤に比べて耐久性が低いため、リフォームなどで使用するのはおすすめできません。
コーキング補修で止まる雨漏り
今から紹介する3つの事例であれば、コーキング補修するだけで雨漏りが止まる可能性があります。ただ同じ症状だからと安易に考えず、雨漏りが止まらない場合は、専門の業者に相談をしてください。
1.モルタル外壁のクラック
セメントと砂と水を混ぜて作るモルタル外壁は、防水性が低いためにモルタル表面に塗装をすることで防水性をもたせています。ただ塗装している部分が薄いので、剝がれやすく・ひび割れが発生する場合があり、外壁に雨水が侵入する可能性もあります。
またクラックには2種類の状態があります。
- 幅0.3㎜以下深さ4㎜以下のひび割れを「ヘアークラック」
- 幅0.3㎜以上深さ4㎜以上のひび割れを「構造クラック」
ヘアークラックは、劣化の中でも初期の症状のため早急に対処する必要はありませんが、近いうちに必ずメンテナンスをしましょう。ヘアークラックを放置する期間が続いてしまうとクラック幅が大きくなってしまったり、水分を吸収しやすくなり外壁がもろくなり、構造クラックへ状態が悪くなっていきます。
構造クラックは、雨漏りする可能性が高いクラックのため、早急に補修をしましょう。また補修する時には、外壁表面の補修だけでなく下地や構造部分も調べる必要がありますので、修理業者に依頼しましょう。
2.サッシからの雨漏り
サッシの雨漏りの原因は、サッシの周りに使われているコーキングの劣化です。コーティング剤は、年数が経つにつれてさらに硬化していき、最後にはひび割れを起こし雨漏りに繋がります。コーキング部分を修繕すると雨漏りが止まる可能性があります。
3.サイディングやALC外壁の目地
サイディング外壁やALC外壁とは、現場でパネルを合わせて作られる外壁です。とくにサイディング外壁はおしゃれな外観が特徴で、日本では約79%もの住宅に使われています。この2種類の外壁は、パネル同士のつなぎ目から水が入らないように目地にコーキングを施しています。
コーキング剤の寿命が約5年〜10年になるので、ひび割れや剥がれなどの劣化の症状が見つけた場合は放置せずに直していきましょう。
コーキング補修の注意点
下処理をしっかりする
劣化したコーキング剤が少しでも残っているとすき間ができたり、剥がれる可能性があるため丁寧に取り除く必要があります。またコーキング補修する部分はホコリ・ゴミ・チリ・水分などが残っているとしっかりと密着することができず施工不良になってしまいますので、しっかりと拭き取りましょう。
コーキング剤の量を少し多めに
コーキング剤を充填する場合は、少し多めの量にするのが大切です。コーキング剤は乾燥させると少しだけ縮む特性を持つため、量を少し多くすることですき間なく施工でき、防水性の効果を発揮することができます。また量を多くするとはみ出してしまう心配もあると思いますが、はみ出た部分はヘラで平らにならすことも可能ですし、マスキングテープで養生すれば汚れる心配はありません。
硬化する時間は守る
外壁に使用するコーキング剤の硬化時間は約2時間程度です。気温や気候によって前後しますが、硬化するのを待たずに塗装を塗ってしまうと仕上がりが汚くなる可能性があります。しっかり効果時間は守りましょう。
コーキング剤の種類の確認
様々な種類のコーキング剤が販売されていますが、使用用途によって使い分けないと上手に補修できないことがあります。種類が多くて分からない場合は、お店の店員に修理内容を伝えて合うコーキング剤を見つけてもらうこともできます。
コーキング補修の修理方法
コーキングの打ち直し
- 溝に沿ってカッターで切り込みを入れる
- 古くなって劣化しているコーキングをはがす
- 目地に残っているコーキングをへらなどを使って綺麗に処理する
- ゴミ・ホコリ・汚れ・水分をきちんと拭き取る
- コーキング剤を打ち込む場所の周りににマスキングテープを貼り、テープにそってコーキング剤で埋める
- コーキング剤が多くなった場所などヘラを使って平らにしていく
古いコーキング剤の上にコーキング剤を追加する場合は、ほこりやチリ、水分・汚れを出来るだけ除去しましょう。雑巾を使うと作業がスムーズにできます。
クラックにコーキングを打ち込む方法
ヘアークラック
ひび割れている部分にコーキング剤や可とう形改修剤を使って修繕する方法で十分な効果が期待できます。修理方法は、コーキングの打ち直しと同じ手順になります。
構造クラック
- 構造クラックの場合、クラック内を均一に綺麗にしないと補修材が行き渡らず、すぐに破損する場合があるので専用の機材を使ってクラック部分をカットする
- クラック部分の埃やちりを取り除いて使用するコーキングのプライマーを塗布する
- コーティング剤を流し込み、ヘラで抑えて表面を平らにしていく
- さらにコーキング剤の上に防水モルタルを塗布して平らにしていく
- 外壁の色と合うように塗装して完成
まとめ
この記事では、コーキング剤の種類や修理の時の注意点、修理方法について紹介しました。安易にコーキング補修をするのではなく、コーキング補修の注意点や正しい修理方法、コーキング剤の種類を知ることで、雨漏りを止めることができます。
また「構造クラック」「外壁の目地」または自分で修理するのは難しいと感じた場合は、修理業者に依頼をしましょう。修理業者に依頼すれば、修理だけでなく下地や構造部分、雨漏りの原因を調査してくれます。
エーストラストでは雨漏り診断士が在籍し、屋根の状態確認をしっかりと行った上で、雨漏り修理にあたります。大阪府で雨漏り修理をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。