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屋根の豆知識

ベランダの劣化を放置していませんか?雨漏りを引き起こす5つの要因

2025/01/30

「最近、ベランダの床にヒビが入っている」「ベランダ下の天井にシミができている」

このような兆候が見られる場合、それは雨漏りの前兆かもしれません。ベランダは外部にさらされているため、経年劣化や環境要因によるダメージを受けやすい部分です。

劣化を放置すると、建物内部に水が浸入し、雨漏りを引き起こすだけでなく、構造の腐食やカビの発生といった二次被害につながる可能性もあります。本記事では、ベランダが雨漏りを引き起こす主な要因とその対策について詳しく解説します。

ベランダの劣化が引き起こす雨漏りのリスク

ベランダは、屋根と異なり直接雨水が溜まりやすく、また紫外線や気温変化の影響をダイレクトに受けるため、時間とともに防水機能が低下します。特に、経年によるひび割れや防水層の剥がれが進行すると、雨水の浸入リスクが一気に高まります。

ベランダの劣化を放置すると、以下のようなリスクが生じます。

建物内部への水の浸入

ベランダの床にできた小さなひび割れや剥がれた防水層の隙間から雨水が侵入し、室内の天井や壁にシミやカビが発生する原因となります。カビが発生すると、室内の空気環境が悪化し、住人の健康にも悪影響を及ぼします。

構造の劣化

木造建築の場合、雨水の浸入により柱や梁が湿気を含み、腐食が進行します。特に、ベランダ下の天井部分が長期間湿った状態になると、建物の耐久性が著しく低下し、最悪の場合、構造の一部が崩れるリスクもあります。

修理費用の増加

劣化が軽微なうちに補修を行えば、比較的安価で修理できますが、放置すると雨漏りが深刻化し、全面的な防水工事や構造補修が必要になることもあります。例えば、防水塗装の再施工で済む段階なら数万円で対応可能ですが、柱や壁の修繕が必要なレベルになると、数十万円〜数百万円の大規模修理が発生する可能性もあります。

さらに、ベランダの劣化を放置すると、二次的な被害も発生しやすくなります。例えば、湿気が増すことでシロアリが発生しやすくなり、建物の寿命を縮める原因となることもあります。また、ベランダのひび割れから浸入した水が、下の階や隣家に漏れ出すと、修理費用だけでなく損害賠償のリスクも発生します。

これらのリスクを防ぐためにも、定期的な点検とメンテナンスが極めて重要です。ベランダの床面にひび割れや浮きがないか、排水口にゴミが詰まっていないかを定期的にチェックし、異変があれば早めに対処しましょう。

雨漏りを引き起こす5つの要因

ベランダは、外部に露出しているため雨風にさらされ、日々の気候変動によって劣化しやすい部分です。その結果、雨漏りが発生することがあります。ここでは、具体的に雨漏りを引き起こす5つの主要な要因について詳しく解説します。

【要因1】防水層の劣化

ベランダの防水層は、建物の寿命を保つうえで重要な役割を果たしています。防水層にはウレタン防水・FRP防水・シート防水といった工法がありますが、これらは永遠に持つものではなく、一般的に10~15年が寿命とされています。経年劣化が進むと、次第にひび割れや剥がれが発生し、防水機能が失われていきます。

防水塗装の剥がれ、浮き

塗膜がめくれたり浮いたりする現象は、雨水が内部に浸透している可能性があります。

ひび割れや変色

表面のひび割れは水が入り込む入口となり、変色は内部での水の侵入が原因です。

雨水が溜まりやすくなる

防水層が不完全になると水はけが悪くなり、雨水が一箇所に集中しやすくなります。

これらのサインを見逃すと、内部構造にまで水が浸透し、大規模な修繕が必要になる可能性があります。定期的に専門業者による点検を受け、再塗装や防水工事を実施することが重要です。特に、外観に変化が見られた場合は早めの対応が求められます。

【要因2】排水口(ドレン)の詰まり

ベランダには必ず排水口(ドレン)が設置されていますが、この部分が詰まると雨水が正常に排水されなくなり、溜まった水が防水層に負担をかけます。雨水が長期間溜まると、防水層が劣化しやすくなるだけでなく、浸水のリスクも高まります。

詰まりの原因

落ち葉やゴミの蓄積

風で運ばれた葉や塵が排水口に溜まり、詰まりを引き起こします。

鳥や小動物の巣作り

ドレン周辺に巣を作られると、水の流れを妨げる要因になります。

定期的な掃除不足

目視で確認を怠ると、詰まりが進行してしまうことがあります。

予防策

定期的にゴミを取り除く

週に一度程度、排水口周辺の掃除を行う習慣をつけましょう。

雨の日の後に水の流れを確認する

雨が降った際、排水がスムーズに行われているかチェックすることで問題を早期発見できます。

排水口カバーを設置

ゴミの侵入を防ぐために、専用のカバーを取り付けることも有効です。

【要因3】笠木や手すりの隙間

ベランダには手すりが設置されており、その固定部分や笠木(ベランダの壁の上部を覆う仕上げ材)の接合部分に隙間ができると、そこから雨水が内部に浸入することがあります。これらの箇所は、劣化が進んでも目視で確認しづらいため、放置されやすいポイントです。

主な問題点

シーリング材(コーキング)の劣化:経年により硬化・収縮し、隙間が生じます。

笠木の浮きや歪み:施工時の不具合や外部からの衝撃で歪みが発生することがあります。

対策

定期的にシーリング材の状態をチェックし、劣化が見られたら早めに打ち替えを行う。

笠木の浮きや歪みがないか目視で確認し、不具合があれば補修を依頼する。

【要因4】床材の劣化やタイルのひび割れ

ベランダの床材は、コンクリートやタイルで仕上げられていることが一般的です。しかし、経年によりひび割れが発生すると、その隙間から水が侵入し、下地にまで到達することがあります。また、冬場の凍結と融解の繰り返しによる膨張・収縮が原因で、ひび割れが悪化するケースも少なくありません。

点検ポイント

・目視でひび割れやタイルの剥がれを確認する。
・雨が降った後、床面に水が溜まっていないかをチェックする。

対策

・ひび割れを発見した場合は、早急に補修剤を使用して埋める。
・タイルが剥がれた場合は、専用の接着剤を用いて再固定するか、専門業者に修理を依頼する。

【要因5】施工不良や経年劣化

新築時やリフォーム時に施工不良があると、防水層が適切に機能せず、短期間で雨漏りが発生することがあります。さらに、施工から10年以上が経過している場合、目に見えない部分で防水層や構造材が劣化している可能性があります。

解決策

・信頼できる施工実績のある業者に定期的な点検を依頼する。
・10年以上経過したベランダについては、防水工事を含めた全面的なメンテナンスを検討する。
・施工時の保証内容を確認し、問題が見つかった際に適切な対応を受けられるようにする。

これらの要因は、いずれも早めの発見と対処が重要です。定期的なメンテナンスを行い、雨漏りやそれに伴う二次被害を防ぎましょう。

ベランダの雨漏りを防ぐための対策

ベランダの雨漏りを防ぐためには、日頃の点検と適切なメンテナンスが欠かせません。防水機能は時間とともに劣化するため、早めに対策を講じることで大きな修理費用を防ぐことができます。ここでは、具体的な対策について詳しく解説します。

定期的な点検とメンテナンス

雨漏りを未然に防ぐためには、定期的な点検が必要です。特に、梅雨や台風のシーズン前にしっかりチェックしておくことで、突然の雨漏りトラブルを回避できます。

自己点検のポイント

自分でできる簡単な点検を定期的に行い、早期に異常を発見することが大切です。

ひび割れや剥がれがないか確認

防水層や床材に細かいひび割れや剥がれがあると、そこから雨水が侵入しやすくなります。特に、以前補修した箇所は再度劣化しやすいので注意が必要です。

排水口(ドレン)にゴミが詰まっていないか

落ち葉やホコリが排水口を塞いでいないか確認しましょう。特に風が強い日の後は、ゴミが溜まりやすくなるため注意が必要です。

雨水が適切に流れているか

雨の日の後にベランダを確認し、水が滞留していないかチェックしましょう。水がうまく流れていない場合、防水層の劣化や排水不良の可能性があります。

業者による点検の重要性

自己点検では見つけられない問題もあるため、定期的に専門業者の点検を受けることが推奨されます。

プロによる詳細な診断

目に見えない部分の劣化や、構造内部の防水処理の状態を確認できます。特に築10年以上のベランダは、防水層の寿命を迎えている可能性があるため、専門家のチェックが重要です。

早期発見で修理費用を抑える

小さなひび割れの段階で補修すれば費用を抑えられますが、放置してしまうと雨漏りが進行し、大規模な修繕が必要になることもあります。定期点検を行うことで、結果的にコストを抑えることができます。

防水工事の種類と選び方

防水工事にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴や耐用年数が異なります。ベランダの防水層が劣化している場合、適切な工法を選んで修理を行いましょう。

防水工法 特徴 耐用年数 メリット デメリット
ウレタン防水 液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成 約10〜12年 柔軟性があり、施工が容易 厚みの均一性が難しく、職人の技術に左右される
FRP防水 硬化プラスチック(ガラス繊維強化プラスチック)を使用 約10〜15年 強度が高く耐久性に優れる 硬いためひび割れが生じやすい
シート防水 防水シートを敷いて防水層を作る 約15〜20年 施工が早く、均一な仕上がり 下地の状態によっては施工できない場合がある

どの防水工法を選ぶべき?

・コストを抑えたい場合 → ウレタン防水が適している
・耐久性を重視したい場合 → FRP防水が最適
・広いベランダや施工を早く終えたい場合 → シート防水が有効

防水工法の選択は、建物の構造や使用状況、予算によって異なります。最適な方法を選ぶためには、専門業者と相談しながら決定するのが望ましいです。

応急処置の方法と業者に依頼すべきタイミング

万が一、ベランダで雨漏りが発生してしまった場合、すぐに修理業者を呼ぶことがベストですが、応急処置を行うことで被害を最小限に抑えることができます。

DIYでできる応急処置

防水テープを使用する

市販の防水テープをひび割れ部分に貼ることで、一時的に水の侵入を防ぐことができます。

シーリング剤を使って補修する

隙間やひび割れには、シリコン系のシーリング剤を塗ることで、一定期間の雨水侵入を防げます。

防水塗料を塗る

専用の防水塗料を塗ることで、防水機能を補強できます。ただし、これはあくまで応急処置であり、長期的な解決にはなりません。

専門業者に相談すべきタイミング

広範囲に劣化が進んでいる場合

部分的な補修では対応できないほど防水層が傷んでいる場合は、専門業者に依頼して本格的な修理を行いましょう。

何度補修しても雨漏りが改善しない場合

応急処置をしても再発する場合は、ベランダの内部構造に問題がある可能性があります。

築年数が10年以上経過している場合

ベランダの防水層は10年程度で寿命を迎えるため、定期的なメンテナンスが不可欠です。専門業者の診断を受け、必要に応じて防水工事を行うのが望ましいです。

まとめ

ベランダの劣化を放置することは、建物全体の構造的な問題や居住環境の悪化につながる深刻なリスクをもたらす可能性があります。特に防水層の損傷や排水口の詰まりなどの劣化は、時間の経過とともに進行し、放置すればするほど被害が拡大していきます。しかし、早期発見と適切な対処を行うことで、大規模な修繕や高額な修理費用を避け、被害を最小限に抑えることが可能です。

株式会社エーストラストでは、豊富な経験と専門知識を活かし、ベランダの防水工事や雨漏り修理に関する様々なご要望にお応えしております。些細な不安や疑問点でも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください!

この記事は私が監修しました

株式会社エーストラスト 代表:高橋 輝(たかはし あきら)

株式会社エーストラスト 代表:高橋 輝

19歳の時に屋根職人の道へ。それ以来大阪を中心に屋根工事・建築板金・雨樋工事など屋根に関わる施工に従事してきました。「雨漏り診断士協会」認定の「雨漏り診断士」や、「石綿作業主任者」など各種資格取得。常にお客様の視点にたち、細部まで確実丁寧な施工にこだわっています。

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