トタン屋根の修理方法について解説
2023/01/18
現在、金属屋根の主流はガルバリウム鋼板。
トタン屋根が選ばれることは少なくなりましたが、ガルバリウム屋根が普及し始めた1990年代以前の建物は今も多く残っています。
トタンの耐用年数は15〜20年と言われており、現存のトタン屋根は耐用年数を超えていることがほとんどです。
そのため、トタンの屋根修理にお悩みの方も多いのではないでしょうか。
正しくメンテナンスを行い、安全に過ごせる建物となるよう気を配りましょう。
トタンの屋根修理方法や、トタンの種類と修理上の注意点を解説しています。
屋根修理業者の選び方も参考に、満足のいくメンテナンスを行ってください。
トタンの屋根修理の方法は主に3つ
トタンの屋根修理方法は3つあります。
- 塗装
- カバー工法
- 葺き替え(全体または部分)
トタン屋根の劣化症状に合わせて、最適な屋根修理方法を選択しましょう。
塗装
3つの方法の中で最も簡単にできる屋根修理で、比較的軽微な劣化症状の場合に採用します。
トタンの色褪せ、塗装の剥がれ、軽微な錆びであれば、塗装が可能です。
錆びがある場合、錆びを取るためトタン屋根を研磨した後、錆止め剤を塗布し、その上から塗料を上塗りします。
再塗装の目安としては、約5〜10年ほどを想定しておきましょう。
錆びによる穴や、錆びによって崩れた箇所がある場合は、塗装では修理できません。
また、トタン屋根は非常に薄いため、小さな錆であっても屋根材の裏側まで広がっているケースがあるので注意が必要です。
現存のトタン屋根は耐用年数を超えているものがほとんどであるため、劣化症状が進んでいる場合には、カバー工法や葺き替えをおすすめします。
カバー工法
既存のトタンの上に、ガルバリウム鋼板などを重ねる屋根修理方法です。
葺き替えと異なり、既存のトタンを撤去することがないので、処分費用がかかりません。
ただし、屋根材を重ねることになるので、耐震性の面から採用できないケースも考えられます。
現地診断の上、採用できるか正しく判断することが必要です。
葺き替え(全体または部分修理)
既存のトタン屋根を撤去し、屋根材を新しいものに交換する屋根修理方法です。
他の工法に比べ大掛かりな工事で、他の修理方法と比べると費用もかかります。
しかし、ルーフィングも新調でき、耐久性が高まるため、メリットは大きいでしょう。
また、葺き替えは全体だけでなく、部分的に行うことも可能です。
一部分だけ劣化や不具合があり、費用を抑えたい場合は検討してみるとよいでしょう。
全体的にひどく劣化が進んでいる場合には、他の部分で雨漏りなどのトラブルが起きる可能性もあるので、全面を葺き替えることをおすすめします。
トタンの種類と屋根修理の注意点
トタン屋根と一口に言っても、その形状から4つの種類に分けられます。
種類ごとの特徴を理解し、屋根修理を行う上で注意する点をご紹介します。
トタン屋根の種類
トタン屋根は、大きく4つの種類に分類されます。
- 瓦棒葺きトタン屋根
- 立平葺きトタン屋根
- 波板トタン屋根
- 折板トタン屋根
それぞれの特徴を確認してみましょう。
瓦棒(かわらぼう)葺きトタン屋根
等間隔でたて方向に桟と呼ばれる細長い木材を設け、その下にトタンを敷いた屋根を『瓦棒葺きトタン屋根』と言います。
たて方向の桟のことを“瓦棒”と呼ぶことからその名称がつきました。
雨仕舞に優れているため、緩い勾配の屋根にも施工されています。
立平葺きトタン屋根
桟を使わずに葺いたトタン屋根です。
トタンの端が折り曲げられており、重ねて葺いていくことで屋根材同士を繋ぎます。
木製の桟を使わないので、瓦棒葺きよりも防水性に優れており、トタンの中では比較的新しい屋根です。
しかし、ガルバリウム鋼板の普及によって、数少ない形状のトタン屋根となりました。
波板トタン屋根
波上のトタンを屋根材として使用しており、見かけたことがある人も多いでしょう。
トタンの薄さを補うために波上に加工し、強度を高めています。
折板トタン屋根
台形が規則正しく並ぶよう折り曲げたトタン屋根。
工場や倉庫、体育館などの大きな建物に使用されていることが多いトタン屋根です。
波板トタン屋根同様、強度を考えて加工されています。
瓦棒葺きトタン屋根は勾配に注意
瓦棒葺きトタン屋根は、緩やかな勾配の屋根にも施工可能です。
その勾配は2寸以下になることも。
カバー工法や葺き替え工事を行う際、トタン以外の屋根材は“2.5寸以上の勾配”が必要となるケースは多々あります。
例えば、近年人気のあるガルバリウム鋼板である『スーパーガルテクト』や『横暖ルーフ』も2.5寸以上の勾配が必要です。
屋根修理に使う屋根材に制限が出てしまう可能性も考慮しておきましょう。
解決策としては、勾配を高くする嵩上げ工事がありますが、その分費用が必要となります。
トタンとガルバリウム鋼板の違い
トタンとガルバリウム鋼板はともに金属であり、軽量である点や、価格もほとんど変わらない屋根材です。
似ている素材ですが、ガルバリウム鋼板の方が優れている点が多いため、現在はトタン屋根に変わって普及しました。
ガルバリウム鋼板が優位とされる理由は3つあります。
- 耐用年数がトタンより10年ほど長い
- トタンよりも錆びにくい
- 遮熱・断熱機能を持つ製品もある
軽量であるため、既存の屋根に新しい屋根を重ねて重たくなりがちなカバー工法に最適な屋根材です。
これからカバー工法や葺き替え工事を検討される際には、ガルバリウム鋼板の使用をおすすめします。
トタンの屋根修理業者の選ぶポイント
トタンの屋根修理業者を選ぶ際に気をつけたい4つのポイントを確認しましょう。
・トタン屋根修理の施工実績
・口コミが良い
・費用が適正価格
・屋根修理の提案内容
施工品質がよく、適正価格で、希望に合わせた修理の提案ができる屋根修理業者を探しましょう。
トタン屋根修理の施工実績
トタン屋根の施工実績が多数あれば、安心して任せられるでしょう。
金属を加工する板金工事や屋根修理には、確かな知識と技術が求められます。
依頼する前に、ホームページなどから施工実績を確認することをおすすめします。
口コミが良い
対応の良い業者であれば、自然と評価する口コミが集まります。
ホームページやグーグルマップ等で閲覧可能です。
スタッフの対応や施工内容など、様々な意見がみられるので参考にしましょう。
費用が適正価格
屋根修理業者の見積価格が適正であるか確認しましょう。
下請けを使う屋根修理業者だと、中間マージンをとられることも。
自社職人で施工を行う屋根修理業者をおすすめします。
屋根修理の提案内容
屋根の状態と、費用面や性能など希望をくみ取り、バランスよく提案が行なえる屋根修理業者に依頼できると安心です。
「塗装だけできる」、「葺き替え工事しか提案しない」といった、偏った屋根修理のみを行う業者だと、それぞれのご家庭に合う最適な提案が行なえません。
塗装から部分修理、カバー工法、葺き替えまで柔軟に対応できる業者であれば、希望に沿ったメンテナンスが行なえます。
まとめ
既存のトタン屋根に劣化症状が見られたら、被害が広がる前に屋根修理を行いましょう。
今後の建物の使用年数や屋根の状態、性能、費用など、総合的に判断して屋根修理の方法を考えられるとよいですね。
エーストラストでは、トタン屋根修理の実績も多数あります。
例えば小さな部分修理から、大型倉庫の全面改修まで対応可能です。
屋根の状態に合わせることはもちろん、お客様のご要望を取り入れつつ提案させていただきます。
トタン屋根修理にお悩みであれば、お気軽にご相談ください。