雨漏りに強い屋根?弱い屋根?屋根の形状と雨漏りの関係性について
2023/12/26
雨漏りの原因となる場所の一つに屋根が挙げられます。
屋根は建物の外部に位置し、雨や風などの自然による影響を直接受けるため、雨漏りが発生しやすい場所だといえます。
しかし、一口に屋根といっても、その種類や形状は多岐に渡り、屋根の種類や形状によって雨漏りの発生リスクも異なります。
この記事では「雨漏りに強い屋根」と「雨漏りに弱い屋根」の形状に焦点を当て、屋根の形状と雨漏りの関係性について、詳しくご紹介します。
屋根の形状や特性により雨漏りが起こりやすい屋根の雨漏り対策についてもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
雨漏りに強い屋根の形状
雨漏りに強い屋根の形状は、屋根の面が少ないほど雨漏りの発生が少なくなります。
具体的な例は後ほどご紹介していきますが、屋根の構造において、つなぎ目や積み重なりが少ないほど雨水が侵入する可能性が低くなります。
また、屋根が急勾配である場合、屋根に降った雨水が速やかに流れ落ちるため、滞在時間が短くなります。これにより、雨水が侵入する可能性が低くなるため、雨漏りが発生しにくいといえるでしょう。
雨漏りに弱い屋根の形状
一方、雨漏りに弱い屋根の形状として、以下の5つが挙げられます。
・複雑な形状の屋根
・谷板金された瓦屋根
・緩勾配の屋根
・軒の短い屋根
・太陽光発電を設置している屋根
その理由を、順番にご紹介していきます。
複雑な形状の屋根
屋根の面が1つに繋がっている構造のものに比べて部分的に分かれていたり、下屋根が存在している場合などで壁に屋根が干渉している場所は、壁際の施工が不十分であれば雨漏りの原因となる可能性があります。
屋根の形状が複雑であるほど、このような状態が発生しやすくなります。複雑な形状の屋根は、屋根と壁の接合部や異なる屋根部分同士の接合部など、水が滞留しやすい場所が増えます。
そのため、これらの部分には特に注意を払い、適切な施工が行われていないと雨漏りが発生する可能性が高まります。
谷板金された瓦屋根
谷板金された瓦屋根も、雨漏りしやすい形状だといえるでしょう。
瓦屋根に多く見られる「銅板」によって谷板金が施工されている場合、劣化によって穴が開くケースが良く見られます。
現在の谷板は「ガルバリウム鋼板」での谷板金の交換が主流となっていますが、それ以外の素材が使用されている場合は注意が必要です。
特に、谷板金は雨水が集中して流れる場合が多い場所のため、経年劣化に伴い雨漏りのリスクも高まりやすくなります。
緩勾配の屋根
勾配が緩い屋根の形状は、屋根の上に降った雨が流れにくいため、雨漏りが発生しやすくなります。
勾配が緩い屋根では、雨水が滞留しやすいため、屋根材への負担や劣化が進みます。これが雨漏りの原因となり、雨漏りが発生するリスクが高くなります。
通常、屋根材は防水加工されているため、施工直後は雨漏りのリスクが低いですが、経年劣化や他のトラブルが発生すると雨漏りに繋がる可能性が高まるため、注意が必要です。
軒の短い屋根
軒が短い、または軒がない屋根の場合、壁やサッシ周りから雨漏りが発生する可能性が高くなります。
通常、軒は外壁を紫外線や雨から保護し、建物の耐久性を高める役割を果たしています。しかし、軒が短い、または軒がない場合、外壁が直接紫外線や雨に晒されるため、劣化が早まることがあります。
さらに、この劣化が進むことで外壁やサッシ周りから雨水が侵入しやすくなるため、雨漏りのリスクが高まります。
太陽光発電を設置している屋根
太陽光発電を設置すること自体が雨漏りのリスクが高まるというわけではありません。
ただし、太陽光発電機を設置する際に使用される留め具などが屋根に取り付けられる際、誤った施工や適切でない取り付け方は行われると屋根にスペースや隙間が生まれ、そこから雨水が侵入し雨漏りの原因となることがあります。
太陽光発電自体が問題なのではなく、施工方法や取り付けに関する不備が問題となります。
太陽光発電機の設置を検討する場合は、経験豊富で信頼性の高い業者に依頼することが重要です。適切な施工が行われれば、太陽光発電機を設置しても雨漏りのリスクが高まる可能性は低くなります。
雨漏りに強い屋根の種類
ここからは、雨漏りに強い屋根の種類について、ご紹介します。
雨漏りに強い屋根の種類は以下の4タイプです。
切妻屋根
切妻屋根は、屋根の頂上部が一直線になり、下方へ2つの屋根面が延びている形状をした屋根です。
紙を二つ折りにしたようなシンプルな形状をしているため、水はけが良く、雨漏りに強い特徴があります。
また、構造が簡素なため、メンテナンス費用を抑えることができるのもポイント。デザインは一般的ですが、雨漏りに対する強さとコストパフォーマンスの良さが魅力です。
切妻屋根は、建材の接合面が「大棟」という部分のみであるため、他の屋根の種類と比べて非常に雨漏りに強いといわれています。
片流れ屋根
片流れ屋根は、1つの屋根の面が斜めに傾いている形状をした屋根です。
近年、そのモダンでおしゃれな外観から人気が高まっています。この屋根は、非常にシンプルな構造をしており、劣化に強く、メンテナンス費用も抑えられるといった利点があります。
また、シンプルで水はけが良いため、雨漏りにも比較的強いといえるでしょう。ただし、横からの強風に対しては弱いといった弱点があるため、その点については注意が必要です。
雨漏りは、屋根だけでなく外壁などからも発生する可能性があります。特に片流れ屋根の場合、片側に軒がなく強風が吹きつけることで雨漏りの危険性が高まります。また、屋根にふる雨水が片側に集中するため、雨樋への負担が大きくなります。
こうした弱点を把握したうえで、雨どいを含めた屋根の定期的なメンテナンスをしておくと安心です。
方形屋根
片形屋根は、屋根の頂上部が1つの点となり、下方へ4つの屋根面が延びている形状の屋根を指します。
ピラミッドと似ており、屋根の頂点が「点」になることを除けば、寄棟屋根との違いはありません。
片形屋根は、雨水を4面に均等に分散できるため、雨漏りにも比較強い屋根だといえるでしょう。
ただし、接合面が多い分、切妻屋根に比べると若干雨漏りのリスクは高まります。特に4つの屋根面が集中する頂点については、劣化に気を付ける必要があります。
招き屋根
招き屋根は、切妻屋根の片面が長く、もう一方の面が短くなった形状の屋根を指します。
短い側の屋根の下側には、1階部分の屋根となる片流れタイプの屋根が設置されます。この形状は、長さが異なる点を除けば切妻屋根と同じ構造のため、雨漏りには強い形状といえるでしょう。
招き屋根は屋根の高さが段違いになっているため、強風や突風にも強いといわれています。風に強いという特性は、屋根の破損や外壁に雨が打ち付けられたりする際の雨漏り防ぐうえで非常に重要です。
ただし、経年劣化に伴い1階部分の屋根と外壁の接合面から雨漏りが発生する可能性は高まるため、施工の際には慎重な防水工事が必要です。
雨漏りに弱い屋根の種類
続いて、雨漏りに弱いと言われる屋根の種類をご紹介します。
雨漏りに弱い屋根の種類として、以下の3タイプが挙げられます。
寄棟屋根
寄棟屋根は、屋根の頂上部が線状になっており、下方へ4面の屋根面が延びている形状の屋根です。
切妻屋根と同様に一般的で、家の四方に軒が出ているため、外壁と屋根の境界を守りやすいという利点があります。水はけにも問題がなく、雨漏りには比較的強いといわれることも多いです。
しかし、切妻屋根と比べると接合部分が多いため、劣化により雨漏りのリスクが一気に高まります。
特に屋根面が3面重なる「かき合い」と呼ばれる部分は劣化しやすく、ここが雨漏りの発生源となりやすいため注意が必要です。
かき合いからの雨漏りリスクを考慮すると、雨漏りに弱い屋根の部類に入るといえます。
陸屋根
陸屋根はほぼ平らな形状の屋根で、屋上のように活用することができるため、人気のある屋根の種類の一つです。
しかし、傾斜がほとんどないことから、水はけが悪く、雨水が屋根に長く滞留する可能性が高まります。この状態が続くと、建材の劣化が進み雨漏りのリスクが増加します。
さらに、陸屋根は軒がないため、外壁全体が雨にさらされ、外壁からの雨漏りが発生するリスクも高いです。
陸屋根の場合、雨漏り対策は屋根からだけでなく、外壁からの雨漏りにも注意を払う必要があるでしょう。
入母屋屋根
入母屋屋根は、寄棟屋根の上に切妻屋根がかぶさったような独特の形状をした屋根です。
主に瓦で覆われ、その風格ある外観が日本家屋の特徴となっています。寄棟屋根の上部には段差があり、三角形の壁面がある場合、それが入母屋屋根とされています。
入母屋屋根の特徴として、風に対して強く、屋根裏の通気性を確保しやすいという点が挙げられます。ただし、形状が複雑で接合部も多いため、雨漏りが発生しやすい傾向があります。
また、雨漏りが発生するとその形状の複雑さから原因箇所を特定するのが難しいといった弱点もあります。
そのため、入母屋屋根は、雨漏り対策が重要であるうえ、メンテナンス工事が大掛かりになりやすくそれに伴うコストも相応にかかるという点も特徴の一つといえるでしょう。
雨漏りしやすい屋根の形状・種類の雨漏り対策は?
ここまで「雨漏りに強い屋根」と「雨漏りに弱い屋根」の形状や種類についてご紹介してきました。
しかし、既存の建物において屋根の形状を変えることは現実的ではありませんね。
雨漏りしやすい形状や種類の屋根でも、新築時に施工不良がない限り、築年数が浅ければ雨漏りが発生することはまずありません。
ただし、経年劣化などにより雨漏りが発生しやすくなるため、定期的な点検およびメンテナンスを実施することが最も効果的な対策になるといえるでしょう。
また、今回ご紹介した「雨漏りに強い屋根」の形状・種類につきましても、経年劣化により雨漏りが起こるリスクは生じます。
そのため、雨漏りに強い屋根であっても、弱い屋根であっても、定期的な点検とメンテナンスを実施することは、雨漏り対策として非常に重要なポイントとなるでしょう。
まとめ
一口に屋根といっても、屋根の種類は多岐に渡り、屋根の種類や形状によっては雨漏りに強いもの、弱いものがあります。
これから新築される建物につきましては、雨漏りのリスクも考慮したうえで屋根のデザインを選ぶのがおすすめです。
また、既存の建物につきましては、屋根の形状を変えることは現実的ではありませんので、屋根の特徴を考慮したうえで、定期的な点検とメンテナンスを実施することが効果的な対策となります。
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