屋根のルーフィングとは?ルーフィングの役割と種類について解説
2023/05/03
雨漏りを防止するには、ルーフィングが大切です。
ルーフィングは屋根の下地に相当するため、なかなかイメージしにくいですよね。では、縁の下の力持ちであるルーフィングについて、特徴や種類、選ぶときの注意点などを詳しく解説します。
ルーフィングとは
ルーフィングとは、いわば防水シートのこと。「屋根下葺き材」と呼ばれることもあります。
屋根に落ちてくる雨粒は、まず雨仕舞が受け止めます。しかし100%の防水は難しく、時に屋根材の下で雨水が侵入することも。このときに活躍するのがルーフィングです。屋根裏まで浸透させず、うまく外に流すことで雨漏りを防止しているのです。
つまり、ルーフィングと屋根材はセットで働くもの。
どちらか一方だけでは不十分で、セットになってこそ十分な防水効果が発揮されるのです。
ルーフィングが正しく機能すれば雨漏りすることはありません。しかし、いつのまにか破れていて雨漏りが……というケースは珍しくないのでご注意ください。天候の影響を直接受ける部分ではありませんが、築年数が長いと(築30年など)、シートそのものが固くなって破れることが……。新品と比較しても弾力性やしなやかさは歴然なので、寿命が来る前に業者に相談して対処しておきましょう。
ルーフィングの種類6つ
ルーフィングには、主に6つの種類があります。
それぞれについて特性を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
アスファルトルーフィング
アスファルトルーフィングは、さまざまなルーフィングの中でも最もよく使われている種類です。
一般的に「ルーフィング」と言うときは、アスファルトルーフィングを思い浮かべると良いでしょう。
アスファルトルーフィングは、アスファルトをフェルト上のシート紙に染み込ませて作られます。
なお木造住宅におすすめなのは、「改質ゴムアスファルト(ゴムアスファルトルーフィング)」です。よく曲がりよく伸び、しっかりと貼り付いてくれますよ。
透湿ルーフィング
透湿ルーフィングは、耐久性や強度に定評がありますが、日本の住宅では普及率が少なめです。
デュポン社のタイベック(高機能防止シート)を使って作られています。
「透湿」の名の通り、野地板にこもる湿気を通過させたり放出させたりといった働きがあるため、野地板の変形・腐敗防止に役立つでしょう。
遮熱ルーフィング
遮熱ルーフィングは、省エネ効果が特に期待できる部材です。
小屋裏に湿気がこもっても、スムーズに屋外へ逃がしてくれるので、腐敗や凍結を防止できるでしょう。
また、夏は熱を反射して、冬は屋内の熱をキープしてくれるので、季節を問わず快適に暮らせそうです。
粘着式ルーフィング
粘着式ルーフィングの大きな特徴は、裏側がシールになっていること。
一般的なルーフィングがタッカーや釘で固定するのに対して、粘着式ルーフィングならただ貼り付けるだけで完了するため下地を痛めません。
特にカラーベストやコロニアルといったスレート屋根におすすめの部材です。
高分子系ルーフィング
重い屋根材を乗せているなら、高分子系ルーフィングがぴったりでしょう。
「改質ゴムアスファルト(ゴムアスファルトルーフィング)」と同等の防水性ですが、合成樹脂や合成ゴムを主成分にしているためとても軽量。地震対策用の部材としても注目されています。
高耐久 不織布ルーフィング
マスクの素材によく使われている、不織布。紙よりも丈夫なので、耐久性が期待できるでしょう。
ルーフィングの貼り方について
では、ルーフィングは実際どのような方法・手順で施工するのでしょうか。
ルーフィングの種類によって多少異なりますが、一般的な流れを紹介します。
新築や葺き替えの場合
新築や葺き替えなど下地を露出している状態なら、タッカーを使って野地板にルーフィングを貼り付けていきます。
カバー工法でのリフォームの場合
スレート屋根においてリフォームによく使われる、カバー工法。
カバー工法では、粘着タイプのルーフィングを貼るか、ビスや釘で留めるかのどちらかとなります。
ただ、アスベストが含まれた屋根材の場合は、粘着ルーフィングは使用できません。粘着ルーフィングはしっかりと密着しますが、その特性から、将来的に家を解体するときにアスベストだけを廃棄できなくなってしまうのです。
そのため、「鉄砲(エア釘打機)」といわれる工具を使って、釘で留めていきます。
屋根のルーフィングを選ぶ際の注意点
ルーフィングにはさまざまな種類があり、迷ってしまいますよね。
屋根のルーフィングを選ぶ際には、以下の点にご注意ください。
グレードを考える
種類にもよりますが、ほとんどの場合、ルーフィングは数万円の追加でワンランク上のグレードを購入できます。
1㎡あたりで計算すると、数百円程度。とてもコスパが良い部材なので、予算を少し上げて、機能性の優れた高グレードタイプを選んでも良いかもしれませんね。
ただ、屋根材の取り外しや足場の設置など大掛かりな工事が必要になるので、施工費用が高くなりがちです。ルーフィングの価格はもちろんですが、施工費用も含めて予算を考えましょう。
似ている商品名に注意
ルーフィングの商品名は、シリーズで類似していることがあります。
たとえば、大手メーカーである田島ルーフィングさん。
田島ルーフィングさんは、「タディス・シリーズ」というルーフィングを展開しているのですが、「タディスセルフ」「タディスセルフホワイト」「タディスセルフカバー」「タディスセルフアーマー」というように、商品名が似ていて、どれも同じように思えてしまうことも……。
それぞれ特徴も価格も異なるので、お間違いのないようご注意ください。
屋根材の寿命に注意
昨今、屋根材も寿命が長いものがたくさん流通するようになりました。
先にお伝えしましたが、雨漏り防止という観点において、ルーフィングと屋根材はセットです。そのため、ルーフィングと屋根材の寿命はできる限り一致させるようにしましょう。
屋根材の寿命はまだ長いのに、ルーフィングの寿命が先に来ては意味がありません。反対に、ルーフィングの寿命はだいぶ先でも屋根材はもう交換時期……となっては、ルーフィング交換の際に二度手間になりコストがかかってしまうのでご注意くださいね。
屋根材との相性に注意
ルーフィングを選ぶときは、屋根材との相性も確認しましょう。
屋根材との相性が良いものもあれば、不向きなものもあります。
リフォーム会社と相談しながらベストな種類をお選びください。
実績があり信頼できる業者に依頼する
ルーフィングは、屋根材を乗せてしまえば外から見えなくなります。
もともとの施工不良により雨漏りが起こるケースは珍しくないので、業者選びは慎重におこなってください。
いくら高グレードのルーフィングを選んでも、職人の技術がなければ台無しです。
複数の業者から見積もりを取って、費用はもちろんですが、対応やサービスなど総合的に判断すると良いでしょう。
まとめ
屋根のルーフィングは、雨漏り防止に欠かせない部材です。
きちんと貼っていれば防水効果を発揮してくれますが、適当に取り付けられていたり寿命が来ていたりすると雨漏りにつながるのでご注意ください。
エーストラストには、ルーフィングの施工に慣れた職人が多数在籍しています。
丁寧な施工と安心のサービスで、雨漏りのない快適な暮らしをキープしましょう。