ヨドプリント外壁とは?特徴やメリット・デメリットを解説
2023/04/21
ヨドプリント外壁は、リフォームで特によく使われています。家の外壁はもちろん、工場や倉庫、ガレージなどでも見かけることが多いかもしれません。
解体した現場で隣家の壁がむき出しになった時などにもよく使用されています。
ヨドプリント外壁には、他の外壁材にはない特徴があります。
ヨドプリント外壁について詳しく知り、家の見た目を一新しませんか?
ヨドプリント外壁とは
「ヨドプリント外壁」という言葉は、実は略称です。
分解すると、それぞれの意味がわかりやすくなりますよ。
・ヨド:正式名称「ヨドコウ」。建材メーカーのひとつです
・プリント外壁:鉄板の表面に樹脂を塗布して、その上に色や柄を印刷して仕上げる外壁です
つまり「ヨドプリント」はプリント方法の名称ではなくて、製造会社のこと。ヨドコウは建材企業でも大手なので、屋根材の質も信頼できるでしょう。
耐久年数は15~20年程度。美しい見た目を長期間キープできるので、コストやメンテナンス面でも優秀ですね。
ヨドプリント外壁の種類3つ
ヨドプリント外壁には、大きく分けて3つの種類があります。
形状やデザインによって見た目が大きく変わるので、ご家族と相談しながら、家の雰囲気に合ったものをお選びください。
凸の部分が「リブ」と呼ばれる山形になっていて、平面の部分にもわずかに段差がつけられているタイプです。
ヨドプリント外壁の中でも見た目が一番美しいとされていますが、色は木目調の「ダーク」「ライト」の2種類のみです。
EN型 大波トタン
大波のような凸が特徴的なタイプです。一つひとつの山が大きい分、全体的な凸の数は少なめです。
色は全部で12種類。バリエーション豊富なので、きっと理想の外観を実現できるでしょう。
FN型 小波トタン
細かな凸を並べたものが、小波トタンです。
デザインは豊富ですが、ブラウンをベースに、木目がプリントされているものがほとんどです。
ヨドプリント外壁のメリット
デザインが豊富
ヨドプリントはプリント鋼板を使用しているため、豊富な色や柄があります。「木のぬくもりを感じられるような家にしたい」「スタイリッシュな外観にしたい」など、きっと希望のデザインが見つかるでしょう。
安価である
ヨドプリント外壁の最も大きな特徴は他の外壁材よりも安価であることです。金属外壁で一般的に使用されるガルバ角波よりも3割程度安くなります。
ホームセンターなどでも6尺1800円くらいで販売されています。
施工が一見簡単そうに見えるかもしれませんが、窓まわりなどは専門的な知識が必要であり、雨仕舞をしっかりしないと雨漏りの原因にもなってしまうため施工は経験のあるプロに依頼しましょう。
軽量
プリント鋼板は、他の外壁材と比較して軽量です。ヨド軽量な外壁材は建物の負荷になりにくいので、万が一地震が起きた際も倒壊やひび割れといったリスクは低いでしょう。また、軽量という特性上、カバー工法でのリフォームも可能です
メンテナンスが簡単
ヨドプリント外壁は、カビや汚れなどがつきにくい素材です。もし気になる部分があっても、水を使えば簡単に落とせるので、掃除の手間いらずで助かりますね
ヨドプリントのデメリット
下地まで腐ることがある
正しくメンテナンスしていれば問題ないのですが、釘が劣化したまま使い続けていると、内側の木材まで腐りかねません。
木材が腐ると、ヨドプリント張替えの際には木材ごと交換する必要があります。大掛かりな工事になるうえ費用もかさむので、気になる症状があったら早めに業者へ点検を依頼しましょう。
耐久性が弱い
外壁でよく使用されるのはガルバ角波ですが、ガルバ角波が厚さ0.35mmに対してヨドプリント外壁は0.27mmです。厚さがない分軽量ではありますが、その分耐久性には劣ります。
材質はトタンであるため、ガルバリウム鋼板よりも錆びやすくなっています。時に加工した切り口から錆やすくなっています。
弊社ではパッキン付きビスで施工していますが、鉄砲(釘打機)で釘打ちするとそこから錆びることもあります。
釘が劣化することがある
ヨドプリントは、一般的には外壁に釘打機を使って釘を使って固定されています。
最近ではステンレス製の釘が主流になってきたのでそれほど心配はいりませんが、少し前までは鉄製の釘がよく使われていました。
鉄製の釘は、雨風にさらされると少しずつ錆びたり痩せたりしていきます。そのすき間から水が浸入すると、釘はもちろん鉄板まで錆び始め、症状はどんどん進行することに……。
最悪の場合、釘の固定力は1/2まで減少するとされています。グラグラしているときに台風が来て、鉄板が浮いたりめくれたりしてしまう事例は決して少なくありません。
部分補修で済む程度ならまだしも、吹き飛ばされて誰かに激突……というリスクもあるのでどうぞご注意ください。
浮いてきた釘は打ち直すことでメンテナンスを行います。
夏は室内が暑くなりやすい
ヨドプリントは、素材の特性上、直射日光の影響を直に受けがちです。
断熱性は低いですが、下地や室内に断熱対策を施せば対処は不可能ではありません。
季節を問わず快適に暮らすために、リフォーム会社と相談しながらすすめていきましょう。
見た目が安っぽくなる
ヨドプリント外壁はその安さが魅力ですが、その分見た目がどうしても安っぽくなってしまうケースがあります。
木目がプリントなので、どうしても杉板の持つような木の質感には見劣りしてしまいます。
ヨドプリントの施工例
ヨドプリントの工事についても、一例をご紹介します。
カバー工法での施工が可能ですが、下地の状態によっては下地ごと張替えなければなりません。
カバー工法
先にお伝えしましたが、ヨドプリントはカバー工法での施工が可能です。
一例として、トタン外壁の上にヨドプリント外壁を張る工事について、主な流れを紹介します。
- 下地を入れる:トタン壁の下地部分と、上の漆喰部分について、その上から下地(胴縁)を入れていきます。これはヨドプリント外壁を張る際、ビスで留める箇所が多いほど、しっかりと固定できるためです
- ヨドプリントを張る:下地の上にヨドプリント外壁を張っていきます。下地(胴縁)の上にビスを打ちながら丁寧に貼り付けたら完成です
張替え
状態によっては、既存のモノ(外壁や下地など)を剥がしてからヨドプリントを張りつけなければなりません。
たとえばトタンの場合、いくつも外壁に穴が開いていたり、ビスのサビが目立っていたりするようだと、外壁材のみの交換では足りなそうです。
実際に外壁を撤去すると、木下地が崩れているケースは珍しくありません。
乾燥した粘土のようにボロボロしていたら、まずは補強したり部分的に撤去したりしてから取り掛かっていきます。
- 胴縁下地の取付け:ヨドプリントをきちんと留めるためには、下地が大切です。なるべく凹凸ができないように意識しつつ、丁寧に胴縁下地を取り付けます
- ヨドプリントをカット:外壁のサイズに合わせてヨドプリントをカットします
- ヨドプリントを取付け:「ステンレス垂直プラ連結釘」などを使用して、ヨドプリントを丁寧に張っていきます(弊社ではパッキンつきビスを使用しています)
- 見切り材の取付け:サッシの周りや地面の段差などに、見切り材を取り付けます。見た目にメリハリがでてスマートな印象になります
- 板金カバーの取付け:軒天垂木に板金カバーを取り付けていきます
ヨドプリントの施工事例:河内長野市にてトタンからヨドプリント板への外壁張り替え工事
まとめ
ヨドプリント外壁は、リフォームでよく使われている素材です。
デザインが豊富で安価なことが魅力ですが、基本の材質がトタンであり、また薄いこともあって耐久性には劣ります。
またプリントなので杉板と比べると安っぽくなってしまうことがあります。
杉板の質感が欲しい方は、さほど値段が変わらないため、杉板の施工が、そして耐久性を求めるならガルバ波板がおすすめです。
株式会社エーストラストは、ヨドプリント外壁の施工を扱っています。
お客様のご要望やご予算に合わせた最適な工事をご提案いたします。
もちろん、「リフォームしようかまだ迷っている段階だけど、ヨドプリントや我が家に最適な外壁について詳しく教えてほしい」というご相談でも大歓迎です。
ヨドプリントなど外壁材の知識が豊富で、技術にも長けた職人たちが理想の住宅づくりのお手伝いをいたします。
ご相談やお見積りは無料ですので、お気軽にご相談ください。
\職人視点のコメント/
ヨドプリントは安価で費用を抑えたい時に向いています。しかし安価な分耐久性や意匠性には劣る部分があるため、耐久性を求める場合はガルバ角波、意匠性を求めるなら杉板がおすすめです。お客様にご希望にあった工事をご提案しますので、お気軽にご相談ください。