重ね葺きとはどのような屋根修理?
2023/02/10
重ね葺き(かさねぶき)は『カバー工法』とも呼ばれる、屋根修理方法です。
経年により劣化した場合の屋根修理は、重ね葺きと、葺き替えを比較検討することが多いでしょう。
重ね葺きは屋根材の廃棄費用が不要なため、リーズナブルに施工できるメリットがあり、葺き替え工事と比較して選択しやすい工事です。
ただし、下地の改修が行えない等のデメリットもあるため、その特徴をしっかりと理解したうえで選択することが大切です。
重ね葺きのメリットやデメリットや、重ね葺きに人気のガルバリウム鋼板をご紹介します。
経年劣化による屋根修理を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
重ね葺きで屋根修理を行うメリット4つ
重ね葺きで屋根修理を行うメリットは4つ挙げられます。
- 撤去・廃材処分費用が抑えられる
- 屋根の断熱性・防音性・防水性が高まる
- ホコリやアスベストの飛散リスクが低い
- リフォーム工事期間が短く済む
それぞれの内容を確認し、最適な屋根修理方法を検討しましょう。
撤去・廃材処分費用が抑えられる
既存の屋根材をはがすことなく上から施工するため、屋根材の撤去や廃材処分費用がかかりません。
特に、アスベスト(石綿)を含むスレート屋根だと、撤去・廃棄に費用がかかるもの。コストを抑えたい場合には、重ね葺きを選択肢として検討しやすいでしょう。
屋根の断熱性・防音性・防水性が高まる
既存の屋根材の上に、新しい屋根材を重ねることで二重構造になり、断熱性や防音性、防水性が高まります。
重ね葺きに遮熱や断熱性能の高い屋根材を用いれば、夏場の暑さ対策としてさらに効果が高まります。
ホコリやアスベストの飛散リスクが低い
解体・撤去を行わないため、ホコリやアスベストが飛散する可能性が低くなるメリットがあります。特にアスベスト入りの屋根材の解体は、健康被害が懸念されることから慎重な工事が必要です。
葺き替え工事の場合には、アスベストに関する有資格者『石綿作業主任者』が作業にあたる必要があります。
リフォーム工事期間が短く済む
解体・撤去の必要がなく、工期の短縮が図れます。
短縮できる日数は、おおよそ3日前後ほどです。
重ね葺きで屋根修理を行うデメリット4つ
重ね葺きで屋根修理を行うデメリットは4つ挙げられます。
- 重ね葺きできないケースがある
- 火災保険を活用できない
- 耐震性が低くなりやすい
- 使用できる屋根材が限られる
費用が安価で採用されやすい重ね葺きですが、デメリットを理解したうえで選択することが大切です。
重ね葺きができないケースがある
屋根修理に重ね葺きを採用したくても、難しいケースがあります。
・下地や屋根材の傷みが激しい場合
・瓦屋根の場合
築30年以上ほどの劣化の進んだスレート屋根や、屋根材の下にある下地が傷んでいる場合、「重ね葺きを採用したい」と思っても難しい場合があります。
屋根は屋根材だけで雨水を防いでいるのではありません。屋根材の隙間からルーフィング(防水シート)へ雨水が侵入し、ルーフィングをつたって排水することもあります。
そのため、傷みの激しい屋根の上から新しい屋根材を施工しても、新しい屋根材の隙間から既存の屋根へと雨水が入りこむ場合が考えられます。
重ね葺きで屋根修理を行い、その後既存の屋根が原因で雨漏りなどの屋根トラブルが発生すれば、さらに改修が必要となります。
痛みが激しい屋根の場合、不具合のある部分や耐用年数を超えた下地部分まで新調する必要があります。葺き替えなどの屋根修理方法を検討しましょう。
また、瓦屋根の場合、基本的には葺き替えや部分修理、葺き直しを行います。
葺き直しは、下地のみを新調・交換し瓦を再利用するため、葺き替えと比較して費用を抑えられる屋根修理方法です。
火災保険を活用したい場合は不向き
台風や大雨といった風水害によって屋根トラブルが発生した場合、火災保険を利用して屋根修理ができます。
ただし、火災保険が適用されるのは、原状回復の修理に関わる工事のみ。経年劣化や異なる屋根材の使用による改修には適用されません。
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耐震性が低くなりやすい
重ね葺きは、新しい屋根材を重ねる二重構造となるため、屋根が重たくなります。
建物上部の荷重が増え、地震の際に揺れやすくなるのは重ね葺きデメリットです。
使用できる屋根材が限られる
耐震性なども考慮し、比較的軽い屋根材のガルバリウム鋼板が使用されるケースがほとんどです。シンプルでスタイリッシュなデザインの屋根に仕上がります。
洋瓦など「可愛らしいデザインの屋根」を希望される場合には、葺き替え工事がおすすめです。
重ね葺きに使用されるガルバリウム鋼板の屋根材
重ね葺き(カバー工法)の施工実績をもとに、使用されることの多いガルバリウム鋼板の屋根材をご紹介いたします。
・スーパーガルテクト
・横暖ルーフ
どちらも勾配が2.5寸以上が適用対象となっています。勾配が基準に満たない場合には『タテヒラ』等、別のガルバリウム鋼板を使用しています。
スーパーガルテクト
断熱材入りのガルバリウム鋼板の屋根材です。
ガルバリウム鋼板のなかでも耐久性を高めたSGL鋼板を使用。通常のガルバリウム鋼板の約3倍の耐久性があるとされています。
遮熱性もあるため、夏は屋根から建物内部へ伝わる熱を遮断し、エアコンの省エネにも最適です。
販売元のアイジー工業は、金属外装材No.1ブランド。長い歴史ある企業で、安心してご利用いただけるでしょう。
塗膜は15年、赤さび20年、穴あき25年保証がついているのも選ばれている理由です。上位モデル『スーパーガルテクトフッ素』では、塗膜の保証部分が“塗膜変褪色20年保証”に変わります。
ただし、積雪地域や海岸線から500m以内の地域では、保証の対象外となるため注意しましょう。
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横暖ルーフ
スーパーガルテクト同様、断熱性と遮熱性のあるSGL鋼板の屋根材です。
スーパーガルテクトよりもカラーバリエーションは少なくなりますが、単価が若干抑えられます。
外装建材メーカーのニチハ株式会社が製造しており、立体感のある段葺き形状が特徴。
塗膜15年保証、赤さび20年保証、穴あき25年保証がついています。
沿岸部での保証対象地域が海岸500m以遠で、幅広い地域が保証対象です。
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重ね葺きなどの屋根修理をDIYで行うのは危険
重ね葺きに限らず、屋根修理をDIYで行うのは危険です。
転落の危険はもちろん、経年劣化による『踏み抜き』事故も発生するかもしれません。
踏み抜きとは、劣化したスレート屋根に上がった際に、劣化した屋根が陥没してしまうことを指します。
事故を防ぐためにも、屋根修理や屋根の状態が気になった場合の調査は、専門業者へ依頼しましょう。
【参考】厚生労働省 神奈川労働局「スレート屋根の踏み抜き災害をなくしましょう」
まとめ
重ね葺きは、施工価格が抑えられる屋根修理方法です。
様々なメリット・デメリットがあるため、納得したうえで選択してください。
DIYで屋根修理を行うには転落などの危険が伴うため、必ず専門業者へ依頼をしましょう。
大阪で重ね葺きの屋根修理を検討されている方は、輝匠建業までお気軽にご相談ください。
初回の現地診断やお見積もりは無料です。
「重ね葺きと葺き替え工事で迷っている」方にも、豊富な施工実績をもとに、お客様に最適な屋根修理方法を提案いたします。